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【「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~】
2021年9月~2022年2月にかけて集英社ウェブメディア「よみタイ」で5回にわたり連載されたWeb漫画。菊池真理子作。
宗教的に特殊な家庭で育った人々の抱える苦悩を、実際の体験者からの取材をもとに描いたドキュメンタリーであり、各話ごとに主人公となる「宗教2世」やその人が入れられていた宗教団体も異なる。
2022年2月10日、突如として第5話が謝罪文と共にサイトから消去、その後過去回も「諸般の事情」により公開を停止される。
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なお第5話で取り上げられている宗教2世が属していた団体は「教祖の呼称が『総裁』」「『エル・カンターレ』という言葉が見える」「栃木県那須郡に学園がある」「1994年に生まれた主人公がその一期生」などの特徴から、幸福の科学であるようである。
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幸福の科学サイドから表立っての抗議声明やクレームの報道などはなく、本作の掲載停止は突然のものであった。また集英社側の謝罪文もそのような事実があったことを述べておらず「社内検討」の結果であるとしている。
過去の例を挙げると、1981~1984年にSF漫画【ジャスティ】を「少年サンデー増刊号」で連載した漫画家・岡崎つぐお氏はツイッター上で、同作終了の原因も宗教団体による「杞憂なイチャモン裁判を恐れ」る出版関係者の弱腰姿勢にあったとしている。
本作の場合も、当初は実際に幸福の科学によるクレーム事件であるのか、出版社側の”忖度”によるものかは定かではなかった(その後、FLASH記事でクレームの存在が報じられた)。
しかし幼い頃から宗教団体の都合で犠牲になった個人の苦悩の吐露が、謝罪文にあるような「宗教や団体の信者やその信仰心を傷つける」ことになるから停止させられるとすれば、より弱者である人々の声を封じることになる。
この公開停止には多くの批判がネット上で起こり、作品の意義を支持する声が寄せられた。
母の期待に応えたい……宗教高校一期生として過ごした女性の告白 | 「神様」のいる家で育ちました〜宗教2世な私たち〜 https://t.co/ydvHurutcZ
— 大田区議会議員_おぎの稔_メタバース議員系Vtuber🏭🛫💉💉 (@ogino_otaku) February 13, 2022
大変意義のある目的。出版社は引くべきではない。
>「宗教2世」が「親との関係」において抱える苦悩について問題提起することを目的としていましたが、
今知ったけど、なんだこれ。
— ymils(イム)⚡ (@ymils_y) February 13, 2022
宗教2世の人の体験談の漫画が、宗教団体の抗議によって出版社が発表を停止して謝罪したって事?
思想信条の自由、表現の自由、報道の自由、知る権利、が蔑ろにされてるんじゃないの?
あの謝罪文を読むと、
— KirimiSakana/切身魚 (@Kirimisakana) February 13, 2022
「宗教団体側は、お気持ちを『傷つきました!!!』で横やり入れ放題、宗教2世の苦しみを訴える連載はいつでも公開停止にできる」
という実績ができちゃったってことですもの。
とてもよくないことです。
この連載第5話の某ハッピーな科学教団の二世信者の告白漫画が取り消されてしまいました。
— つれづれ子 (@rDDZ7FfNIknA0Qh) February 13, 2022
これは言論弾圧と言っても良いのではないですか❓
母の期待に応えたい……宗教高校一期生として過ごした女性の告白 | 「神様」のいる家で育ちました〜宗教2世な私たち〜 | よみタイ https://t.co/kwokqhFEbI
マンガ『「神様」のいる家で育ちました』
— Simon_Sin (@Simon_Sin) February 14, 2022
面白いと言ったら作者に失礼だけど、こんな世界があるということを知れるのは意義があるよなあ
そりゃ教団にとっては迷惑かもそれんがこういう不幸になってる信者がいるのも事実なわけで https://t.co/Wkz5dKAbpG
え、宗教団体のクレームに屈したの?
— 荒井禎雄(専業主夫を志望するフリーライター) (@oharan) February 13, 2022
じゃあ最初からやるなよ。バカかよ。
覚悟がねえなら初めから手を出すな。
やった以上は退くな。
「神様」のいる家で育ちました〜宗教2世な私たち〜 | よみタイ https://t.co/0cyflCwLoF
追記:
3月29日のやや日刊カルト新聞、4月5日公開の週刊FLASHの記事で、実際に幸福の科学が抗議をおこない、集英社が幸福の科学に謝罪に赴いたこと、また集英社が作者の菊池真理子氏に対して口止めをしていたことが報じられた。
「担当編集者からは当初、祭壇や施設の描き方など、事実と異なる箇所を直せばいいと言われました。ところが急に、全体的な見直しが必要になったと方針転換されたのです。
その後、編集部で会議を重ねた結果、第5話だけでなく第1話から第4話まですべて、信者を傷つける可能性があるので、連載中止の判断に至ったと言われました。私も反論しましたが、信者を一人取材しただけでは不十分だったと言われ、では何人ならばいいのかと聞いても返事はない。
教団への批判ではなく、あくまで個人の人生を描いたものなのに、宗教団体に過度に配慮するのはおかしいでしょう。集英社も自分たちが無理を言っていることはわかっているのに、もう引っ込みがつかなかったのでしょうね」
「今回、最終的には集英社からの描き直しの提案に納得がいかず、私からやめさせてくださいと言ったので、いわゆる “打ち切り” ではありませんが、宗教団体の言うとおりに描き直しするなんて、あってはならないこと。しかし、宗教をテーマにすることがこれほど許されないとは、表現の自由はすでに有名無実です。
ただ、脱会した2世の人たちが声を上げる自由も、見過ごされてはならないはずです。私は教義を批判しているわけじゃない。2世であることで、うまく生きられなくなってしまった人の存在を伝えたいし、当事者のなかにも自らの体験が知られることを望んでいる人が多い。その個人の声が封殺されるのはとても残念です」
また、幸福の科学の言い分は次の通り。
「菊池氏の該当作品には、明らかな事実誤認が複数存在するとともに、信仰の対象や教義等に対する不当な侮蔑的描写、冒涜等が存在しています。また、親子問題と自立の問題を信仰の問題にすり替えている点もあります。作品の公開停止については、集英社側で独自に検討された結果と思われます」(幸福の科学広報局)
![](https://assets.st-note.com/img/1649131475414-5sbgxv9IPV.png?width=1200)
なお、本作はその後、文藝春秋社から書籍化が決定した。
決定の報が安倍晋三元首相銃撃事件の直後で、旧統一教会をはじめとする宗教批判の機運が高まっていた時期だったことから関連が囁かれたが、それ以前からオファーがあったことを原作者の菊池真理子氏が明かしている。
著者です。
— 菊池真理子 『「神様」のいる家で育ちました 〜宗教2世な私たち〜』10月6日発売 (@marikosano_o) August 17, 2022
事件の前からお話をいただいていました。文藝春秋さん、本当に気概のある出版社です。 https://t.co/HGf8VApsmk
第5話のアーカイブ:
https://t.co/6d5zEk9auZ
https://t.co/TBHO9BoRSu
https://t.co/scG6TeVfBa
https://t.co/4TUpOqEuLR
(書籍化決定に伴い、直接抗議を受けた5話を除くアーカイブは削除しました)
![](https://assets.st-note.com/img/1644873598635-8JKIjO24xo.png?width=1200)
参考リンク・資料:
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