【大阪府「男女共同参画社会の実現をめざす表現ガイドライン」(令和3年3月版)】
大阪府府民文化部より発行されたガイドライン。
いわゆる「差別表現」を避けさせるためのガイドラインであるのだが、令和3年3月発行のものが、かえって「萌えキャラ」等に対する偏見的な記述となっており、ネット上で批判を受ける。複数の問い合わせなどにより、同年11月に修正された(修正版はこちら)。
特に問題となった箇所は6ページ。
3月版は、いわゆる「萌え絵」の上に赤字の×をつけ、さらに中段では「体の線や胸などが強調された描写(いわゆる「萌えキャラ」)」という通常の用法からかけ離れた用法までも主張するというありさまであった。
このような解説を「萌えキャラ」という観念に無知な人が読めば、萌えキャラとはエロイラストのことだという誤った偏見を抱くであろう。差別をなくすことを建前としたガイドラインが逆に差別と偏見の拡散装置になっているという笑えない事態に陥っている。
「人格を持った多様な姿」などという曖昧で意味不明な文言も、ガイドラインとして実用たり得ないのはもちろん、提示されているようなイラストのキャラが「人格を持」たず「多様な姿」に含まれない理由も不明である。
日本漫画家協会常務理事・表現の自由を守る会最高顧問の赤松健氏(のち参議院議員)は「事実上の萌えキャラNG宣言」と断じている。
また、大阪府が萌えキャラの使用を否定することについては、同府の警察本部鉄道警察隊が『アイドルマスターSideM』とのコラボを行っていることとの矛盾も指摘された。
この令和3年3月版ガイドラインについて実際に、府民協働課へ電話での問い合わせを行った人の一人「給水塔」氏がツイッター上でその内容を公開している。
これによると本ガイドラインの作成に当たっては、有識者ヒアリングや審議会への諮問、また知事レクや議会への説明等は全く行われていなかったという。
またキャリコネ編集部が電話取材を行ったところ、その様子は以下のようであったという。
困惑もなにも、フェミニストに代表されるクレーマーが、この種のガイドラインを錦の御旗に掲げて表現者を攻撃している実態がある。
それらクレーマー側が乱用する武器を自ら撒くような真似をしておいて、それが炎上したら自分はクレームに「困惑」されても、一片の同情心も湧かないのは筆者だけではないだろう。
男女共同参画ちゃん
なお、問題となった6ページのピンク髪の少女のイラストは、外注したものではなく課所属の職員が作成したものであるという(ソースは先述の給水塔氏による電凸ツイート)。
なおゲーム『アイドルマスターシンデレラガールズ』のキャラクター・夢見りあむのナースメイド服バージョンとの類似が指摘されている。
この「否定されるためだけに生まれたキャラクター」への同情とガイドライン(ひいてはその背景にあるフェミニズムそのもの)に対する皮肉を込めて、ツイッター上ではこのキャラクターが「男女共同参画ちゃん」と愛称されることとなり、ファンアートも作成された。
本ガイドラインの全ページ画像
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参考リンク・資料:
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