『あの世界の片隅で』2022-08-23
このお盆に、世界最大の同人誌即売会コミックマーケットの、記念すべき第100回が開催された。
が、そこでひとつ悲しい出来事があったようだ。
あるサークル主さんが、そこに「売り子」として参加していた女性から「扱いがあまりにも酷く我慢ならなかった」として、#MeToo されてしまったのである。
その結果、批判を浴びたサークル主氏は謝罪に追い込まれ、年内活動を自粛するとした。
件のサークルは「兎合の衆」といい、非難を受けたサークル主は常盤つばめさん。今回のC100で頒布していたのは【ご注文はうさぎですか?】と【SPY×FAMILY】の新刊やアクリルキーホルダーなどのようだ。
件の女子高生氏は、次のような被害に遭ったと主張している。
では、それぞれ検討してみよう。
1 自分が食べたカツサンドの残り半分を渡してくる
いやさ、これ食べ掛けじゃないよね?
かじりかけを渡したわけでもなんでもない。同じパックに入っていたうちの半数を自分が取り、残りの箱をぜんぶ渡しただけである。衛生的に言っても、飲み会で大皿料理をつつきあうのと大差ないというか、だいぶマシだろう。
これが仮に、もともとサークル主が「昼食はこちらで用意します」という話をしていて、同じパックのカツサンドを半分こしようとしてきたのなら「いや2つ買えよ」と多少は無神経のそしりを受けるかもしれない。
しかし、昼食の用意をしていなかった(し、おそらく昼食の用意について聞きもしなかった)のは彼女自身である。サークル主さんは急遽の対応をしただけである。
「せめて取り分けるなどの措置をして欲しかったと思います」と、さも譲歩案を出しているかのように言っているが、なにに取り分けるのだろう? 分ける破目になったのはお前が昼食を用意してなかったからであり、分けるための容器なんかないぞ。
仮に小皿か何かがあってそこに取り分けるとしたら、箱から半数(繰り返すが元々サークル主ぶんの昼食である)のカツサンドを取って、残りの箱を渡したこととのあいだに衛生上なにほどの違いがあるのだろうか。気分の問題でしかない。
それでも抵抗があるというなら仕方ないのだが、遠慮して自分で買ってきますと言えばいいだけである。
感染対策を錦の御旗のように掲げて被害者ぶっているのも、人の海といって過言ではないコミケに自分から来ていることとの整合性がない。そこまで心配ならここに来るなという話である。
そもそも上げている写真は何のために撮ったものなのか。撮影の目的が「ネットに晒し上げてやる」という悪意以外に想定できない。
そしてもしサークル主が、昼食を持ってこなかった女子校生にカツサンドをあげるという「加害」を行わずに、ひとりで美味しそうに食べていたら、彼女は納得したのだろうか?
いやそれはそれで「加害」認定だったと思うのだが。
2 椅子に座りますかの一言も無しに2時間以上立ちっぱなしにさせられる
いや、2時間立ってるくらい、コンビニやスーパーでのレジのバイトとかなら普通だと思うんだが。
コミケの参加は労働ではないが、ここで労働基準法を確認してみよう。
労働基準法上の規定によると、6時間を超えた場合にやっと45分(8時間を超えると60分)以上の休憩が法定されている。
ちなみに後述するように彼女は「バイトを休んで」コミケに来たと言っている。何のバイトなのかは分からないが、2時間立っていることも非常識に思えるほどホワイトな職場なのかもしれない。
そもそも、コミケの開催時間は10:30~16:00(ふだんは10時開場だがコロナ関連で30分短くなっている)、5時間半である。これをフルに休憩なしにやったとしても労働基準法の休憩を与えなければならない労働時間には及ばないのだが...…そもそも、そのほとんどを彼女が立ちっぱなしでずっと売り子をしていたのなら「2時間以上」という不満の形になるとは思えない。「5時間も!」とか言い出すだろう。
つまり実際にはサークル主さんや他のメンバー(いたとして)と交代で、下手をするとサークル主さんの方が長く立ちっぱで売り子をしていた可能性が高い。
3 急な売り子代役だったのにも関わらず新刊やグッズ等の譲渡が一切なかった。
ライター業、連絡はDMでどうぞ。匿名・別名義での依頼も相談に乗ります。 一般コラム・ブログ・映画等レビュー・特撮好き。