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【僕のヒーローアカデミア】
※【志賀丸太】からも転送されています。
2014年から現在まで週刊少年ジャンプに連載中の、いわゆる能力バトル漫画。多くの人間が各々独自の超能力を持つ世界で、人を救けるヒーローを育成する学園を舞台としている。現在の少年ジャンプを牽引する大ヒット作のひとつである。略称ヒロアカ。
2020年2月3日発売のジャンプ本誌で登場した「志賀丸太」というキャラクターの名前が、中国・【韓国】系アカウントの集団によってキャンセルを仕掛けられた。
![](https://assets.st-note.com/img/1683625304030-q1kyw2uyHL.jpg?width=1200)
画像にある"個性"とは本作における超能力の総称(「スタンド」とか「念能力」みたいなもの)だが、実際、志賀丸太というのはごくごく無個性な、普通の名前のようにしか見えない。
なぜこの名前がいけないのか?
韓国人らの主張によると、丸太という名前は、第二次大戦中に細菌兵器研究のため非道な人体実験を行ったとされる通称「731部隊」(関東軍防疫給水部本部)が、その実験体となった人々を指して用いていた隠語から来ているというのである。
実際の由来は作者が解説しており、画像に見えるように彼が肥満していることから「丸々と太った」という意味である。また、本作では"個性"を持たないキャラクターには木や植物に関する言葉が名前に入る法則がある。
まず指摘しておくべきことは、この名前へのバッシングはジャンプの2月3日号が発売される前から起こっているということである。また公式において韓国語版は展開されていない。
このためバッシングを行った韓国人たちには「そもそも違法アップロード版を見て騒ぎ出したのではないか」という疑惑が持ち上がっている。
![](https://assets.st-note.com/img/1683626215597-7Y0f1kyipX.png)
そして、この「違法アップロード版を読んで騒いだ疑惑」は、単なる「人に難癖つけるならお前も品行方正でいろ」というホワイトハンズの原則の問題ではなく、より本質的な問題を伴っている。
そもそも、日本語で「まるた」と表記されていたとしても、韓国語にそれを音写する際のハングルは一意ではないからだ。ら行の言葉をアルファベット表記する際に、LとRどちらを使うべきかが一意でないのと同じである。
詳しく確認した人がいる。
自動翻訳では日本語をアルファベットにして、英語から韓国語を経ないと「마루타」にはなりませんね。
— ymils(イム)⚡ (@ymils_y) February 6, 2020
日本語から韓国語へ直接翻訳にかけると「몰타」か「마르타」になります。
韓国語には「말타」malta「몰타」molta「마르타」marta「마루타」 marutaがあって、日本語では全部「マルタ」になります。
つまり、志賀丸太の「まるた」に、731部隊の犠牲者を意味する言葉として韓国内で流通している마루타を当てたのは、海賊版翻訳者が勝手にやったことのようなのである。
韓国人たちは、志賀丸太そのものではなく、海賊版翻訳者のつけた마루타に勝手にキレ出したというのが真相らしい。
さらに彼らは、そもそも「丸太」という言葉が材木のことなのだということさえ伏せたプロパガンダ画像を拡散していた。
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特に悪質なのは英語での説明文で、ここにある”The remark came from referring to those killed in Unit 731”とは「731部隊の彼らの犠牲者への言及から来た言葉」となっており、語源の方が731部隊という因果の逆転した、完全なデマ文になっている。
そもそも丸太などは差別語ですらなく、ただ当時の加害者が被害者を呼んだ言葉という一過性の用法に過ぎない。「江戸時代の売春婦に対する軽蔑語」などというマニアックな転意が載っている辞書にすら、731部隊など登場しないのである。
![](https://assets.st-note.com/img/1683778292021-3jjKuIsR5j.png?width=1200)
これを封殺しなければならないとすると、たとえばある児童虐待事件では、被害者児童は加害者に「それ(It)」と呼ばれていた。英語圏はitを使用禁止にすべきなのだろうか。
しかし、30余年前の【燃える!お兄さん】と同様、集英社は残念ながら平謝りの謝罪に出て、志賀丸太の名前を変更してしまったのである。
週刊少年ジャンプ10号(2月3日発売)『僕のヒーローアカデミア』についてお知らせ
— 少年ジャンプ編集部 (@jump_henshubu) February 3, 2020
週刊少年ジャンプ編集部 pic.twitter.com/rKzagOJHl0
今週発売のジャンプで登場した志賀丸太という名前について、歴史的な出来事を想起させるというご意見を多くいただいています。命名にあたり、そのような意図を込めたつもりはありませんでした。ご指摘のお声を重く受け止め、今後は名前を差し替えさせていただきます。
— 堀越耕平 (@horikoshiko) February 3, 2020
さて、この謝罪の結果、何が起こっただろうか。
「#私たちは謝りだけが欲しい」と言っていた韓国人たちは、その謝罪を受け入れ、ことを収めただろうか。
もちろん、そんなことはなかった。
しかし、集英社謝罪後も騒動は収まらず、SNSなどでメインキャラの一人、爆豪勝己の誕生日である4月20日が、アドルフ・ヒトラーの誕生日だと同じといった指摘や、敵連合のリーダー・死柄木弔の誕生日4月4日が、山本五十六の誕生日と同じという指摘が噴出。また、主人公の緑谷出久の誕生日7月15日についても、日本共産党の成立日と同じだと指摘する声もあった。
フェミニズムと同じである。
歴史人物の誕生日から「叩きどころ」を漁るという狂態もさることながら、その歴史人物にしろ、右翼的なのか極左的なのかの統一も取れていない。
こうしたクレーマーに対する謝罪は常に、相手に「私は悪いことをしました。いくら殴ってもかまいません」という殺人許可証でしかない。
そのことを本事例はまたも立証したのである。
そもそもこの論理では、最初に結び付けて叩いていた志賀潔の誕生日が謝罪文の発行日と同じなので、謝罪文も不謹慎なので謝罪撤回すべきということになってしまう。
いやむしろそう言って謝罪を反故にしてやれば面白かったのに。
ちなみに【日本人絵師達、注目をお願いします!】はヒロアカを、ツイッターで言いがかりをつけてくる海外アカウントが、アイコンやヘッダに画像を使いがちな作品の1つであると指摘している。
参考リンク・資料:
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