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【Do it Debbie's Way】
米国の女優デビー・レイノルズによるエクササイズビデオ。いわゆるエアロビクス。
ナディーン・ストロッセン『ポルノグラフィ防衛論』によると、米国オハイオ州で次のような事件があった。
当時、アメリカの複数の州や自治体では、わいせつと考えられるビデオテープやそれを扱うビデオ店を公表し、販売やレンタルを継続した場合は刑事責任に問うと「警告」するという威嚇的な行為を行っていた。そしてその情報源には、右翼団体や宗教原理主義組織から提供された「ブラックリスト」を使っているものもあった。
本作を含むリストを提供した右翼団体”Citizens for Community Values(共同体の価値を守る市民たち)"は、本作を視聴せずに題名だけで、無関係なアダルトビデオシリーズ”Debbie Does Dallas”のどれかだろうと早とちりしてブラックリスト入りさせ、当局に渡していたらしいのである。
直接的には本件で当局の判断に影響したのは右翼団体だが、ストロッセンは同様のエクササイズビデオがフェミニストによっても敵視の対象となっている実例を挙げている。
一九八七年の調査で。南カリフォルニア大学教授マーガレット・モースは、フェミニストの観点から。多くのエアロビクス・ビデオは女性を性的対象として描写し、「ソフト・ポルノグラフィ」のような内容だと批判したのである。モースは荒い息遣い、肌もあらわなコスチューム、セクシーな視線、胸、脚、腿のクローズアップ、「性行動を模したようなカメラの動き」などを指摘している。モースによれば、四〇歳以上の視聴者を対象としたデビー・レイノルズのビデオですら、彼女を性的対象として表現しているのだそうだ。
さらなる実例としてストロッセンは、モースが他のエクササイズビデオをどのように批判しているか実例を引用している。
女性の権利運動の宣伝等のような著名人ジェーン・フォンダの人気エクササイズ・ビデオですら、マック・ドウォーキン体制のもとでは批判の対象となり得る。モースは次のように述べている。
ジェーン・フォンダが床に座り、両腕を空中に高々とV字型に上げている姿勢がある。がしかし見方によっては、彼女は身動きが取れず、従属的な姿勢を強いられているようにも見える。その姿勢から伝わってくるものははっきりしている。「私には力がある。しかしそれでも、私は男性を必要としている」。
参考リンク・資料:
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