動物の習性とKIREIの必要性
動物は汚いのか?
私は昔から動物がとても好きで、今は犬とウサギを飼っています。どちらも見ていて癒やされますし、愛嬌があって優しく家族の一員です。私は動物が好きだからこのように感じますが、動物が嫌いな人からすると私のようには感じないでしょう。
動物は匂いがするし、毛がすぐ落ちるから家では飼いたくないし、何なら見ているのはいいけど、うんちやおしっこの処理といった世話はしなくない、なんていう人ももちろんいるでしょう。
もちろん私の友人にも動物が嫌いな人が何人かいて、決まって共通点がある回答としては、「動物 = 汚い、または、汚す」といったイメージを持っていることでした。しかし、人も動物です。そして、中にはとてもKIREI好きな動物もいます。彼らの習性を見れば、動物から人への進化の過程においても、KIREIはとても重要な役割を担っているように思えます。
KIREI好きな動物:ブタ
ブタは汚い動物の象徴のように扱われることがとても多いです。日本人はブタの肉を食べますが、イスラム教徒の人々はブタの肉を食べません。食べないどころか禁止されています。イスラム教ではコーラン(聖典)の教えで、ブタ肉を食べることを禁止されているのです。ブタ肉なので、ハムやソーセージといった加工されたものも厳格に禁止されています。これは、イスラム教においてブタは不浄なものとして考えられているためです。不浄なもの、つまり不潔なのです。宗教において定められている以上、この常識を覆すことはかなり難しいでしょう。しかし、ブタは本当に不潔なのでしょうか。
確かに人間と比べればどのような動物も清潔ではない気がします。しかし、ブタは動物の中でも清潔です。その原因は彼らの習性にあります。ブタは日頃から定期的に水遊びをする他、おしっこやうんちといった排泄をする場所と眠る場所、食事をする場所とをちゃんと区別して生活します。用途に応じて場所を決めるというのは、KIREIな行動と考えて良いでしょう。これらの行動はブタの習性に由来しており、天敵に見つからないようにするために自然にそのような行動を取ると言われています。
KIREI好きな動物:ネコ
続いてご紹介するのはネコです。ネコと言えば皆さんも『確かになあ』と思う人も多いのではないでしょうか。ネコは普段から暇さえあれば毛づくろいをしますし、砂に排泄した後は必死に隠そうとします。このような行動を見ると「いやあ、ネコはKIREI好きだなあ」と感じるのではないでしょうか。
ネコが毛づくろいをする理由はいくつかありますが、一般的に言われていることとしては、自分の匂いを隠すため、精神的に落ち着くため、体温を調節するため、といったものです。体も柔らかくしなやかな動きをするので、そういったところもネコがKIREIな動物だと考えられているのでしょう。
KIREI好きな動物:シマリス
皆さんはシマリスをご存知でしょうか。シマリスは哺乳綱ネズミ目リス科シマリス属に分類されるリスの総称です。アジアに多く分布しており、手のひらに乗るくらいの小さなサイズです。彼らは地面に穴を掘って巣作りをしますが、穴の中でもきちんと部屋を分けます。例えば、排泄する場所、食事をする場所、眠る場所、といった具合に、豚と同様できちんと場所を区分します。また猫と同じように、毛づくろいをよく行います。実際に見るとわかりますが、毛はフサフサしていて整っています。
毛を整えることで、皮膚や体表の状態をKIREIに保ち、気温の変化や環境の変化から身を守ることができるのです。こういった習性を見ることで『シマリスもKIREI好きな動物なんだなあ』と人は思うわけです。
KIREI好きな動物:ウサギ
なぜかウサギは日本ではKIREI好きだと言われています。果たして本当なのでしょうか。私もウサギを飼っていて思いますが、動物の中では確かにKIREI好きだなと思います。ウサギもよく毛づくろいをします。自分の手のひらをペロペロと舐め、その後自分の顔を洗ったりします。また、いつもと違うケージに入れたり、いつもと違うご飯を出すと、おしっこやうんちの量が極端に減ります。言い換えれば、いつも決まったパターンの行動をするということです。
これは普段と違う環境や変化に弱い習性がウサギにはあることを意味します。ルーティンがある動物は一見するとKIREI好きな動物に見えるのです。日本は何から何まで整った国です。そのため、ルーティンによってKIREIが作られたのかもしれません。
動物の習性におけるKIREI
ここまで4種類の動物をご紹介しました。読んでいただくとわかると思いますが、KIREI好きな行動が見て取れます。しかし、それらはすべて動物の習性が由来していることがわかるかと思います。確かに彼らの本性の中には、清潔な環境を自然に好んでいるのかもしれません。ですが、これらの行動は天敵から身を守ったり、環境の変化から身を守ったりすることに由来する習性から来たものでもあります。
そう考えますと、身の回り、そして自分自身をKIREIな状態にするというのは、単なる性格の問題ではなく、身を守るために必要なことだということがわかります。実際に不潔な環境では病気になります。KIREIな環境では心が落ち着き余裕が生まれます。
KIREIとは決して性格なものではなく、本来生き物が自然と備えた能力、自分の身を守る行為の一つだと考えても不思議ではありません。身だしなみを整えたり、部屋を掃除したり、体を洗ったり、こういった行動は本能的に備わったものであり、それはあらゆることから守る動物の習性が大きく関係しているのかもしれません。
そして、もしそうだとすれば、KIREIな環境は人にとっても、あらゆる動物にとっても必要不可欠なものではないでしょうか。ぜひ、KIREIの必要性を改めて感じていただければと思います。