KIREIライフスタイル
清潔さと健康と幸福の間には相関関係が存在します。
日本は、インフラ整備に非常に力を入れている国です。歩道、高速道路、バス、電車、あらゆる公共物の整備に力を入れている国です。そのため、国全体が非常に清潔です。これは1972年の田中角栄内閣による『日本列島改造論』がきっかけです。
『日本列島改造論』とは、「交通や情報通信の全国的ネットワークの形成を行い、人と金とモノの流れを巨大都市から地方に逆流させる “地方分散” を推進すること」を主旨とした政権公約のことです。日本列島全体を高速道路、新幹線、本州四国連絡橋などの高速交通網で結び、地方の工業化を促進し、過疎及び過密問題や公害問題を同時に解決するものでした。日本はこの頃から徐々にではあるものの街が整備され、公害問題の解決がなされたことで、清潔な意識を持つようになったと考えられます。
清潔さと健康
日本を始めとした清潔な国は、厳格な衛生対策、効率的な廃棄物管理システム、アクセス可能な医療インフラを通じて、公衆衛生を優先します。これらの国々では、汚染物質のない清潔な環境を維持することで国民の健康を守り、感染症、呼吸器疾患、その他の健康上の合併症の蔓延への対策を講じています。清潔と健康の相関関係は、長寿と活力の促進における衛生の極めて重要な役割を強調しています。
環境の持続可能性と生活の質
清潔な国は環境の持続可能性への取り組みを示し、生態学的健全性と人間の幸福の相互関係を深く認識しています。これらの国々では、自然の生息地を保護し、汚染を最小限に抑え、再生可能エネルギー源を受け入れます。これにより、健康的な生活と自然との調和のとれた共存に役立つ環境を作り出すのです。豊富な緑地、汚染されていない空気、きれいな水源は生活の質を高め、自然界とのつながりの感覚を育み、精神的および感情的な幸福を促進します。
生活の質の一尺度である長寿のメリット
長寿は賛否両論あれ、メリットであると私は考えます。確かに全体的に見て高齢者が増えすぎることにはデメリットがあります。ですが、60歳で亡くなる人と80歳で亡くなる人とでは20年の差があるのです。20年多く生きられるということはそれだけ多くのことを経験することができるのです。さらに、長寿であるということは、健康寿命も長いと考えられます。何もできずに長生きというのはいかがなものかも知れませんが、健康で長生きであれば、様々なことを経験でき、より幸福であることが考えられます。
Worldometersの掲載内容によると、2023年の世界平均寿命ランキングのトップ10位は、以下のようになったと報告されています。
1位:香港(85.83歳)
2位:マカオ(85.51歳)
3位:日本(84.95歳)
4位:スイス(84.38歳)
5位:シンガポール(84.27歳)
6位:イタリア(84.20歳)
7位:大韓民国(84.14歳)
8位:スペイン(84.05歳)
9位:マルタ(83.85歳)
10位:オーストラリア(83.73歳)
私がこのランキングを見て驚いたことは、トップ10位の中に、アジアの国が5カ国ランクインしていることです。アジアは長寿な国が多いというのはもちろん聞いたことがありました。ですが、トップ10位の中の半分がアジアであるというのは意外なことでした。
「肥満」を考える
健康で良い生活を送っている人は、体のバランスが良いことが想定されます。太りすぎておらず痩せすぎてもいない。より良い生活を送っている人は、非常に健康的な体を持っているはずです。そこで調べてみたものが「肥満」についてでした。
Pen-Onlineの肥満に関しての掲載を見てみると、2016年での肥満率が低い国のランキングは、以下のような結果となったことが報告されています。
1位:ベトナム(18.3%)
2位:インド(19.7%)
3位:バングラデシュ(20.0%)
4位:エチオピア(20.9%)
5位:ネパール(21.0%)
6位:東ティモール(21.6%)
7位:カンボジア(21.7%)
8位:東南アジア諸国連合(21.9%)
9位:エリトリア(22.0%)
9位:ニジェール(22.0%)
※数字は、BMIが25以上の「太りすぎ」「肥満」の人の割合
こちらの結果を見ると、ほとんどがアジアの国がランクインされていることがわかります。確かに長寿国のランキングにはない国名がこちらには書かれていますが、アジアが肥満率が低いことがわかります。
なぜ、先進国であるヨーロッパ諸国が長寿国にランクインする国が少ないのでしょうか。
なぜ、低肥満国にランクインするアジア諸国は長生きできていないのでしょうか。
人がより健康で長生きであるために必要なこと
人がより健康で長生きであるためには、様々なことが必要です。その中でも特に次の5つが大切になります。
①清潔な環境で生活すること
②健康的で正しい食生活を送ること
③適度な運動を継続して行うこと
④ストレスを溜めず上手く発散させること
⑤適切な医療が受けられること
おそらくアジア諸国が低肥満国に多い理由は、十分な食事が取れていないこと、つまり貧困が関係している考えられます。
ベトナムは野菜中心の生活を送るため、低肥満であり、バランスの良い体型の人が多いです。しかし、都心部の大気汚染問題は深刻で、首都ハノイの空はいつも排気ガスで覆われています。せっかく良い食生活を送ったとしても大気汚染問題は改善すべき問題なのです。
ヨーロッパやアメリカの医療技術の発達は目まぐるしいものがあります。ですが、肥満率が非常に高く、コレステロール値の高い食事が目立ちます。より健康的な生活を送るためには、病気になってからの医療頼みではなく、病気になる前から、健康的な食事を考えたそもそもの予防が必要です。
日本が長寿である要因は、清潔な環境と食文化にあります。インフラ整備による清潔意識の向上は前述しましたが、日本の食文化は世界でも有名です。味噌や納豆など、体に良いものを食べる文化がそもそも根付いています。しかし、ここ最近は東京を中心に世界中のレストランがやってきて様々な食事を取れることからも肥満率が上昇しており、平均寿命が少しずつ縮小しつつあります。
「KIREI」ライフスタイルの採用
より健康で幸せな人生を長く送るためには、「KIREI」の意識を持つ必要があります。バランスの取れた食事、十分な医療、清潔な環境、すべてにおいて「KIREI」という概念は存在します。清潔さ、長寿、幸福の共生関係を考えると、「KIREI」の精神がより健康で幸せな社会を構築する鍵を握っていることが明らかです。そして、個人の習慣、コミュニティ、国家の清潔さを優先することで、寿命の延長、福祉の向上、集団的繁栄の向上を特徴とする明るい未来への道を開くことができます。「KIREI」ライフスタイルを前向きな変化の触媒として受け入れ、清潔さが単なる美徳ではなく、すべての人にとって長寿と幸福への道となるはずです。
引用①:Worldometers
引用②:Pen-Online