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MAZDA3(WCODTY)

WCDOTYはご存知でしょうか?

https://www.worldcarawards.com/web/

World Car Design of the Yearの略で
世界で一番デザインの良い車を決める世界最高峰のアワードプログラムです
歴史は浅いですが、2004年に世界中の自動車ジャーナリストにより創設され、
ジャーナリストによる投票でその年の一番デザインが優れた車が決まります。
過去受賞した車の例を一部あげると、
2007年:アウディTT
2008年:アウディR8
2012年:レンジローバーイヴォーク
2013年:ジャガーF
2017年:ジャガーF-PACE
といった具合に高級車ばかりが目立ちますが、
これらの車全てデザインが純粋にカッコイイです。

さて、このような猛者の中、日本車が過去2回受賞していたのをご存知でしょうか?
2016年:マツダ ロードスター
2020年:マツダ MAZDA3
です。

日本の車で2回も受賞していて、しかも同一メーカーに驚きました。
World Car Design of the Year 受賞理由について以下のコメントがあります。
MAZDA3のデザインは、「Car as Art(アートとしてのクルマ)」というマツダデザインの哲学を追求し、
世界で高い評価を受けている「魂動デザイン」をさらに深化させています。
日本の美意識に基づく「引き算の美学」でクルマのフォルムから不要な要素を削ぎ落し、
滑らかなボディの面を走る繊細な光の移ろいによって豊かな生命感を表現する、独自の造形を創り出しました。
そのうえで、ハッチバックではエモーショナルさを、セダンではエレガンスさを追求し、
「MAZDA3」というひとつのネームプレートのもと、まったく異なる2つの個性をつくり上げています。
とあります。
ここで注目したいポイントが3つあります。
1つ目:Car as Art(アートとしてのクルマ)
マツダは車の性能は勿論の事ですが、車をモノとしてとらえるのではなく、アートとしてとらえるようになっています。
その象徴とする車が2016年に誕生したロードスターだと私は考えています。
新しいロードスターが誕生した時の衝撃力は半端なく、フロントが低く、ワイドな台形フォルムが力強さを生み出し、
見ているだけで気持ちが揺さぶられます。

2つ目:魂動デザイン
2010年頃からマツダは魂動デザインの名のもとにデザインを一新していきます。
生命を感じるダイナミックデザインを創造し具現化する。
エレガンスを感じる深いデザインです。
2010年 マツダ靱(SHINARI)
2011年 マツダ勢(MINAGI) これは後のCX-5
2011年 マツダ雄(TAKERI) これは後のMAZDA6
2014年 マツダ跳(HAZUMI) これは後のMAZDA2
2015年 Mazda RX-VISION 恐らくRX-9になります
2015年 マツダ越(KOERU) 将来の大型SUV
2017年 マツダ魁(KAI)コンセプト これが今回のテーマであるMAZDA3です

無題


ここまででお気づきの方はいらっしゃるかと思いますが、
コンセプト=市販車の乖離がほとんど無いのです。
通常コンセプトカーとなると、非現実的で、ウケが良いものですが、
実際仕上がった車をみて、何回か残念に感じたことはあるのではないでしょうか?
しかし、マツダのコンセプトカーはほとんどそのままででてきています。
デザイナーの意思がとても強く感じられるメーカーだと思っています。

3つ目:引き算の美学
通常、車はプレスラインを設けます。キャラクターラインともいいますが、
車の横のボディラインに折り目があるのが一般的です。
これがあると、特徴をより強調させることができ、そこから膨らませたり、絞ったりできるので
有効なデザイン手法だと思っています。
しかし、このMAZDA3は引き算の美学のもと、キャラクターラインが無いのです。
悪く言えばのぺっとしています。
マツダのHPにはこう表現されています。
日本の美意識とは、これ見よがしに主張するものではなく、繊細なバランスの上に成り立っているものです。
そのため、次世代デザインでは「引き算の美学」、すなわち引くこと、
省略することによって生まれる「余白の豊潤」を大切にし、要素を削ぎ落としたシンプルなフォルム、
そして研ぎ澄まされた繊細な光の表現でクルマに命を吹き込むことに挑戦していきます。

キャラクターラインが無いことで、生まれる美しさがあります。
これは実際に見てみないと伝わらない部分ではありますが、
滑らかな面の抑揚だけで、光の当たり具合が少しでも変わると車の表情が変わるのです。
もう1度見たいと思っても光の面への角度が少しでも変わるだけで表情が変化してしまいます。
ラインが無いはマイナスではなく、うまく動きを表現できるポイントになりえると衝撃を受けました。
カラーが濃いほど、この恩恵は受けやすいのでそこもポイントになります。

次回さらにMAZDA3を深堀したいと思います。

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