親父の梅酒 -11月の星々-
一足早い大掃除。
埃の積もった保存棚の隅っこに琥珀色の瓶を見つけた。
親父が元気だった頃に仕込んだ梅酒。十年物か。
硬くなった蓋をこじ開けグラスに注ぐと、芳醇な香りが広がる。
熟成が進んでまろやかになった液体。
あの日止まった親父の時間は、こんなところで動き続けていた。
穏やかにゆっくりと。
一足早い大掃除。
埃の積もった保存棚の隅っこに琥珀色の瓶を見つけた。
親父が元気だった頃に仕込んだ梅酒。十年物か。
硬くなった蓋をこじ開けグラスに注ぐと、芳醇な香りが広がる。
熟成が進んでまろやかになった液体。
あの日止まった親父の時間は、こんなところで動き続けていた。
穏やかにゆっくりと。