【税務調査編①】初めての税務調査は無予告調査!?
税理士・公認会計士ひとしです。このNOTEを開いていただきありがとうございます。今回は、私が経験した税務調査について投稿しようと思います。
①突然クライアントから電話が。。
タイトルの通り、初めて税務調査は無予告で実施されたものでした。突然、クライアントから電話があり「あの~税務署の方が来ているのですけど。。」と言われ、以下のやり取りが発生。
私:とりあえず、税務署の方に変わってください。
税務署:国税通則法○○条の規定により、今から令和○○年~○○年の法人税、源泉所得税、消費税の調査を開始します。
私:(いやちょっと待ってよ。。と思いつつ。。)わかりました。今すぐ向かうので、とりあえず、社長に変わってください。
私(社長へ):急な調査でびっくりしたと思いますが、とりえず、今すぐ向かうので、税務署から聞かれたことに関しては、正直に答えていただいて結構です。わからないことはわからないと伝えてください。
はい。この時点で対応を間違えました。。
②急いで現場へ
実施調査が行われている現場は、車で30分程度。その間にも調査は進められてしまいます。その時は私は幸い事務所におり、予定もなかったので、連絡を貰い次第すぐに向かいました。(なお、代表の税理士は旅行中。笑)
初めての税務調査で、かつ、無予告で実施されるなんて、心の中では、「マジか。。ついてないな。。」と思いつつ、でも無予告調査はなかなか経験できるものでもないため、ちょっとだけ興奮気味に運転していました。
運転中に色々と考えていたものの、、っていうか税務調査の立会の経験ないし、俺なにすればいいだろうと考えていました。
③現場につくと。。
現場につくと税務署の調査官が4名も!(内、2名は新人っぽかったですが)とりあえず名刺交換をしようとしたら、なんと調査官は名刺もってないんですね。税務署の身分証を見せられました。
(後で回りの方に聞くとそれが常識らしいですね。税務署の職員って結構、職位高い人しか名刺ないらしいですね。)
こっちが名刺出してんのに名刺なしかよ。と思ったので記録のためにも、ばっちり身分証の写真を撮らせてもらいました。
なお、私が現場についたときには、ヒアリングが始まっていました。
実地調査で何が行われていたかは、また後日詳細に投稿しようと思います。今考えると初動をかなりミスったなーと考えています。
④無予告調査の定義、事務運営指針
無予告調査については通則法74条の10にて以下のように定義されています。
国税通則法第74条の10
事前通知を要しない場合前条第1項の規定にかかわらず、税務署長等が調査の相手方である同条第3項第1号に掲げる納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等若しくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、同条第1項の規定による通知を要しない。
事務運営指針には以下の通り記載があります。
調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)|国税庁 (nta.go.jp)
(3) 事前通知を行わない場合の手続
実地の調査を行う場合において、納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁、国税局又は税務署がその時点で保有する情報に鑑み、
違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ
その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、事前通知を行わないものとする。
この場合、事前通知を行わないことについては、法令及び手続通達に基づき、個々の事案の事実関係に即してその適法性を適切に判断する(手続通達5-7、5-8、5-9、5-10)。
要は、納税者に不正の疑いがあった場合、業種等から不正が推定されるような場合で事前通知を行わない方が適切に調査を実施できる場合には事前通知は実施しませんよ。という感じです。
⑤税務調査は受忍義務あるけれども。。
税務調査の依頼があった場合、納税者は受忍義務(=調査を受ける義務)があります。これは無予告調査でも同様です。
税務調査は一般的には、顧問税理士に連絡が入り、日程調整を経て、実地調査が実施されます。
一方で無予告調査の場合、無予告、言わば抜き打ちで調査に来たんだから、それを受け入れるしかないと考えてしまいそうですが、無予告調査だからといって、その場で調査を承諾する義務もないのです。つまり、無予告(抜き打ち)で調査にはいっても、あくまでも税務調査は任意調査であり、「調査は受ける気はあるけど、今日は都合が悪いからやめてください」と主張する権利はあるのです。(マルサとかの強制調査は文字通り強制です。)
よくよく考えてみれば、当然ですよね?その日、急に税務署に来られた挙句、日中時間を搾取される可能性もあります。もしその日が大事な商談の日で、1年で一番大事な日かもしれません。なので、すぐに承諾する義務はないのです。
少なくとも顧問税理士と相談して、調査を開始してほしい旨を税務署に相談することは、当然の権利です。
⑥今回の反省点
最初に私は、「私(社長へ):急な調査でびっくりしたと思いますが、とりえず、今すぐ向かうので、税務署から聞かれたことに関しては、正直に答えていただいて結構です。わからないことはわからないと伝えてください。」と伝えてしまいました。
税理士としては、「私が行くまで、税務署には待っててもらってください!それまでは通常業務を実施してください。」と伝えるべきだったと思います。これが初動のミスですね。次回から気を付けたいと思います。
この後、結構な期間、税務署との熱い戦いが待っていました。。
今回はこのような感じで終わりたいと思います。詳細はまた後日、ここまで読んでいただきありがとうございました。
税理士・公認会計士ひとし
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