Dos Monos / 春ねむり WWW presents dots

 春ねむりの音楽を聴いているとなぜかNINE INCH NAILSを思い出す。パンクロック/ハードコア的なサウンドであるにも関わらずそこには身体的な快楽性を少しだけ上回る痛みが伴うようで、身体を揺らしながら聴いているのだけれどそれと同時に静かな、湿っぽい気持ちが胸のうちに付き纏う。そんなアンバランスな感覚でステージに目を向けると、そこには満面の笑みでパフォーマンスをこなす春ねむり本人がいたりするので何だか本当に不思議な気持ちになってしまう。「ライブハウスは踊ることを思い出す場所でもある」という旨のMCを挟みながら5拍子の楽曲を演奏し始めたり、終始真顔のバンドメンバーに対しても笑顔でツッコんでいたりと、彼女の本当の姿を捉えようとするためには、40分という時間は短いように思われた。

 そしてその後のDos Monosによるライブ。MCを挟むこともないまま太いビートにベース、そしてディストーションギターが絶え間なく鳴り響き続けると同時に、その隙間を縫うように洗練された3MCの軽妙なラップのコンビネーションがバッチリ炸裂しており、まるでロックとヒップホップの幕の内弁当を喰らわせ続けられているかのような楽しさ、嬉しさ、心地よさには本当にたまげた。初めて彼らのライブを生で見たということもあるのだけれど、それまでに何度もYouTubeで見ていたMVやライブ映像などから何となくイメージしていた以上の驚きがそこにはあった。1曲目の”HAROU”からアンコールに至るまで、退屈な瞬間が無いようなライブは久しぶりだった。先月見たKamuiのライブ(これについても後日書きたいと思っている)ぐらいから、ラッパーのライブをもっと見てみたいという気持ちが高まっていたこともあり、今回見たDos Monosのライブは忘れ難い衝撃を伴うものとなった。


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