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千曲川浸水被害見聞メモ


10日ほど前に長野に行く用事があったので、親戚にゆかりのある松代(まつしろ)に寄らせてもらうことができた。夏の終わりに家族で一度訪れたばかり。直後の台風被害とのことで、浸水のニュース(とはいえ浸水地域が多すぎたせいかTwitterや航空写真会社のHPからしか情報を得られなかった)を見て気になっていたのだ。菩提寺に行って聞くのははばかられ、近くの旧市街にある「松代まちあるきセンター」に寄って話を伺った。もとは武田信玄が川向うににらみを利かせるために築城したという「松代(待つ城)城」は千曲川の南岸。城より南の奥まったところにある旧市街はほぼ難を逃れたが、城より北側東側の2つの住宅地が浸水したという。以下、写真は全て「松代町あるきセンター」の展示を撮らせてもらったもの。

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80年代の公社分譲と思われる城東団地と城北団地の片方は床下浸水、片方は床上浸水だった。たまたま話をしてくれたのも床下浸水した地域の戸建て住まいの方だったので、リアルな話が伺えた。

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「いやー浸水するのも速かったけど、水が引くのも速かったよ。どれだけ来たのかなってキッチンの床下収納開けたら、ボックスにひたひたに水がたまってて。エーッとボックスを取ると、床下にはそれほどたまっていなくて。べた基礎の水抜き穴からスーッと引いて行った。あれ、穴があるのね。なんでこんなに速く引いたのかってそれもある。それから、こちらが決壊したから水がきたんだけどね。別のところも決壊すると、別の町に水が行くからこちらの町からはスーって引いて行ってね。複雑な気持ちだった。それでも床上浸水のところは断熱材やら畳やら家具やらがダメになって、床下浸水とは全然違ったね。明暗を分けたのは、造成のときにこちらは1m上げたから。床下被害だけでも今はまだ2階生活で、床は上げて乾かしている途中。今日みたいに晴れたらみんな外で干してる。床下の断熱材を乾かしている家もあるし。いやー、ははははははは。笑い事じゃないけど」

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確かに笑い事じゃないのですが、笑わざるを得ない気持ちも分かる。初雪の3日後で、山には雪が残っていた。幸い親戚の寺は無事だったが、浸水範囲だった3軒の寺は墓の中にも水が入り、大変だそう。ボランティアに交通費が助成されていて相当入っていると聞いたが、まだまだとのこと。通り過ぎるだけだと一見被害がなさそうに見えるが、実際は大変そうだった。少額ですが募金して失礼しました。

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