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【一人会社】とは?小さくはじめる、いま流行りの起業形態

今回のトピックは、【一人会社】
あまり聞きなれない方もいらっしゃるかもしれませんが、一人会社は、一人で会社運営を行う事業形態のことを指します。不確実性の高い現代社会で、まずは小さく最小限のリスクで事業を行いたいというニーズが増えており、注目を集めている起業形態の一つです。


(1)一人会社とは?

一人会社とは、株式会社や合同会社などの会社形態で、従業員を雇用せずに社長一人で経営を行う事業会社です。
会社に関する詳細説明は以下を参考にしてください。

① 株式会社
株式を発行して資金を集めて設立される会社形態。
・出資額を上限とする有限責任を負う出資者(株主)と、実際に会社を経営する経営者(取締役)が分離(有限責任)。
・ただし、一人会社の場合には、出資者と経営者は一体であることが多い。
② 合同会社
有限責任社員のみで構成される会社形態。
・会社が債務を完済できなかった場合でも、合同会社の社員が債権者に対して弁済する義務を負わない(有限責任)。
③ 合名会社
・会社の債務を弁済する責任を直接に、かつ、無制限に負うことになる、無限責任社員のみで構成される会社形態。
・会社が債務を完済できなかった場合、構成員の個人資産も弁済にあてなければならない可能性がある(無限責任)。
実務において活用されるケースは少ない
④ 合資会社
・無限責任社員と責任が一定額に限定される有限責任社員とで構成される会社形態。
・会社が債務を完済できなかった場合、無限責任社員の個人資産も弁済にあてなければならない可能性がある。
・ただし、有限責任社員は一定額を上限とする弁済責任を負う。
実務において活用されるケースは少ない

会社に関するまとめ

(2)一人会社増加の背景

2006年の会社法改正(1円起業(最低資本金の撤廃)、合同会社制度の開始、機関設計の簡略化 など)をきっかけとして、一人会社は増加しております。

(3)一人会社経営成功のポイント

会社や個人事業主として、従業員を雇わずに事業を行う一人事業は近年増加しており、一人会社(一人事業)は、個人の時代に相応しい事業形態のように感じるものの、解決すべき課題も多くあります。

【一人会社成功のポイント】
・固定費マネジメント(資金ショートによる倒産防止)
・士業などへの業務アウトソースや業務効率化ツールの積極的活用(本業に集中できる環境の整備)
・業務連携先や起業仲間などコミュニティの拡大(事業の中長期的発展と事業モチベーション維持) など

(4)日本の会社数等

平成28年の経済センサス(総務省)等の情報に基づくと、日本には従業員5名以下の小規模事業者(法人)が約100万社、個人事業主が約200万者存在します。明確な「一人会社」の数は国のデータ等で公表はされていないものの、50万社程と推測されます。

(5)おわりに

今回は、【一人会社】に着目し、その実態などの説明を行いました。

一人会社経営の魅力は、その独立性や柔軟性にあります。
一人でビジネスを行うことで、自分自身のビジョンとアイデアに基づいて迅速かつ自由な意思決定ができます。
また、自身のスキルセットや能力を最大限に活用し、多様な業務に取組むことで、自己成長と挑戦の機会を広げることもできます。

一方で、一人会社では全ての業務を一人でこなす必要があるため、時間管理や効率化の重要性が増します。
また、孤独感やストレスの蓄積、特定の専門知識やスキルの不足なども潜在的な問題となり得ます。

このようなデメリットを解決するため、業務効率化ツールを積極的に活用すること、外注可能な業務を士業など外部専門家へ依頼すること等を通じて本業へ集中できる土台を整え、継続して積極的に人脈を構築することが必要です。

このように、一人会社経営にはデメリットもありますが、リスクを極力低減した新たな挑戦への形態であり、起業家や独立志向の人々にとって魅力的な選択肢です。

また、起業準備を行う際には、独立後の自分を想像し、サラリーマン時代に自分のスキルセットを整理/アップデートするとともに、起業に必要な経営ノウハウをあらかじめ磨いておくことも重要です。

ぜひ、みなさまの、起業準備のご参考にされてください。

(6)書籍出版(一人起業の歩き方)

2024年1月に、「一人起業の歩き方」を出版しました📖
一人起業を目指したい方の起業導入書として、ぜひご覧ください!

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公認会計士・藤田崇紘
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