MOROHAと私


MOROHA。初めて見たのは、2016年のしゃべくりセブンの再放送。アフロとUK。アフロって名前なのに坊主頭じゃん!UKってユナイテッドキングダム!?すごい名前つけたな!
と登場から目に飛び込んできた彼らの姿や情報は、完全に私の中でイロモノだった。
しかし、その印象は一瞬にして塗り替えられた。
いきなり曲が始まった。
曲は三文銭。
圧倒的だった。見たことの無い、聞いた事のない、新しいスタイルの音楽だった。
すぐさま、私はYouTubeで動画を探し、いろんな曲を聴いた。
涙が止まらなかった。
タワレコに行って置いてあるのはすべて買った。
当時、「これから」だった彼らのCDは、店舗に置いてないものもあった。
日に日に彼らの音楽へ惹かれていく。
音楽の話ができる友達にも紹介した。ヤバいの見つけた!って。
これはもう、ライブが見たい。
その願いが叶ったのは、同年12月、キューブリックってライブハウス。
テレビで見て、動画で見て、CDで聴いて、これだけ心を握りつぶすくらいの勢いで掴んでくるのだ、ライブだったらどんなことになってしまうのか。

圧巻だった。
当たり前かもしれないけど、ライブって、こう…直にくるから、そのまんま衝撃が伝わってきて、ボロボロ泣いた。
ライブで泣いたことは他のバンドでもあったが、それはその直近で女のコに振られたり、悲しい事が起きていて、それに合わせるように曲やMCが涙を助長させてたからだったんだけど、MOROHAのライブでの涙は、直近で起こった何かに引き寄せられたものでは無かった。
もっと見たい…
翌2017年春、私とヤバいの見つけた!と紹介した友達は、鹿児島へ向け、新幹線へ乗っていた。walk inn fes。
ピーズ、HAWAIIAN6、locofrank、フラカン、50回転ズ、そして、MOROHA。
この夢のようなラインナップ。
遠征だし、正直初めて聞く名前のフェスだったけど、これは行くしかない。行かなきゃ後悔することは必至のイベント。
私達は期待を胸に桜島へ向かった。
会場入口にはアーチが作られており、ついに来たか〜!って感動してたら、入口付近でアフロさんがスマホで電話してたのに遭遇!
え!こんな普通に演者さんいるの!?って驚いたの、今でも忘れない。あの日アフロさんは、オレンジのニットをかぶってたなぁ…なんて、どうでもいっかw
MOROHAは最前列で見たいよね、って話になり、MOROHAが出演するステージに出演するだいぶ前から陣取っていた私たち。
だいぶ前からだったから、ステージ前の確保は容易だったけど、始まる頃に後ろを振り返るとすごい人だかりができていた。後にも先にも野外でMOROHAを見たのは、これが最初で最後だったけど、ライブハウスでも野外でもやっぱりMOROHAはすごかった。言ってしまえば、毎回ライブで泣いてしまっているが、この時も例外なく泣いた。
物販で、福岡のタワレコに売って無かった上京タワーを買った。
物販で、アフロさんとUKさんと話した。
福岡のタワレコ、上京タワー売ってなくて。って話したら、福岡でも店で買えるようにがんばるねって言ってくれた。
MOROHAのすごいところは、ステージであんなにオーラバッキバキで演ってるのに、ステージ降りたら二人とも、本当に気さくな兄ちゃんって感じで、アーティストのオーラをバチっとオフにしてるところだ。
あの日、2人がサインしてくれた上京タワーは、私の宝物だ。
別のライブで、開場前にライブハウスに並んでたところ、ふらっとライブハウスの外にUKさんが現れたり、これまた別のライブの物販でアフロさんと話したとき、ステージからもよく見えてたよ、目立ってたぜ!なんて言ってくれたりもした。
何度も何度もライブに足を運んだ。
いつも感動させてくれるMOROHAだが、あるとき、改めてふと思った。
いつも一緒にライブに行ってくれたり、誘ってくれる友達にも話したけど、もう何回もMOROHAのライブを見に行って、ちょっと当たり前みたいになってるけど
一人がアコギ弾いて、一人がラップするって、すごくないか!?
奇跡的なものを私達は見せてもらってるんじゃないのか!?
MOROHAって名前に引っ掛けるわけじゃないけど、居合の達人の試合を見ているような。
独創的なスタイルに惹かれ、リリックに惹かれ、ギターの音色、引き出しの多さに惹かれ、人柄に惹かれ、個々のすごさが1つのバンドの中に存在していることの奇跡的なバランスに改めて驚かされ…
初めて見たときから8年がすぎ、気づけば、タワレコのDISC1で視聴ができ、リキッドルームや武道館でのライブを達成。ナレーションやYouTube、個々の活動も活発化。知名度だって抜群に上がった。
そして、今回、活動休止の発表。
私はお客だから、本当に一部分しか見えてないけど、いろいろあったんだと思うし、ギリギリだったんだと思う。
ただ、ギリギリでないと成立しないバンドでもあると思うから、そのギリギリの加減が難しくて、コントロール出来る部分、できない部分含めて、MOROHAとして動くことが難しくなった。そういう活動休止なんじゃないかな。
ライブハウスで会うお兄さんからもDMが来てたけど、こんな奇跡的な瞬間に何度も何度も立ち会えたのは、幸せだった。
本当に感謝の気持ち。
そっか、そうだよな。
ほんとにそうだよな。
すごいものを、私たちは目撃していたのだ。
本当にそれは幸福で。涙を流し、心を奮い立たせ、時に弱い自分に寄り添い。
これからも、聴き続けていく。生き続けていく。
そして、願わくは、またライブハウスで。
ひとまず、おつかれさまでした。
乾杯。


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