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ダイビング

僕の仕事は海へ潜ることだ。
正確にいうと、空の白い窓から降ってきた”言葉”から関係するものを海から拾ってきては陸に上げる。
その繰り返し。

僕の仕事場は普段は浅瀬から広い海原の向こう側まで。時には、海の底に埋まっているボロボロの鉄屑や洞窟に巣食う海獣たちを横目にキラキラとした宝石を拾っては陸にあげる。

最初は探してくるのに時間は掛かったけれど、最近はボンベが軽量化してフィンの扱いにも慣れたので簡単なものなら数秒で拾ってくることができる。

この世界は時間との闘いだ。誰よりも早く正確に拾ってこなければすぐに仕事がなくなる。だからみんなピリピリしてて、飢えた鯉のように落ちてきたものに群がってを拾いに行く。

また降ってきた。そろそろ仕事の時間だ。

読んでくださり,ありがとうございます。