再会
駅のホームに立っている。
少し遅延しているのか電車が遅れてやってくるというアナウンスが流れる。形式的な謝罪を聞き流しながら,予定の時間には少し遅れてしまうと思いすかさずスマホを開いて連絡をする。
彼に会うのはいつぶりだろう。
早く会いたいと思う時ほど,悪い条件は重なる。
履き慣れないヒール,勇気を出したスカート,赤く染った唇
こころの中で最終チェックをする。
彼はあの時のように笑うのか。
私があの人の隣にからいなくなった数年でどんな風に変わってしまったのか。
緊張と期待が入り混じる。
ようやくやってきた電車は悪びれもなくホームへ入りこみ,私はそれに乗り込んだ。
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