十人十色のしつけ
『ちょっと〇〇、今お友達のこと叩いたでしょ!?
ダメでしょ叩いちゃ!
叩いたら痛いんだよ!?
〇〇も叩かれたら嫌でしょ?
じゃあ叩かないの。
わかった?
はいじゃあごめんなさいして。
もう叩いちゃダメだよ。』
テンプレみてぇな叱り方。
いや叱ってすらいねぇか?
言われてる間こどもはうんかううんだけ言ってりゃいい。
バカでもできる誘導尋問。
言われた通りにしてりゃいいだけ。
最後に謝ればいいと思ってる。
そりゃもちろん謝りもしねーガキはクソ未満の存在だけど、謝りゃいいと思ってるガキも大概だぞ。
しつけをしたきゃ、学習させたきゃ能動的に脳みそと口を動かさせろ。
『〇〇していいの?』って聞かれたら、ガキでもううんが正しい答え、相手が求めてる答えだってわかんだよ。
しつけに正解はない。
受け答えにも正解はない。
考えさせろ、自分で。
悪いことをしたら、とりあえず持ち物はたき落とす。
手で服の裾とか弄らせない。
気をつけの体勢にさせる。
そして目を絶対に逸らさない。
まず『今何したの?』で自分がやったことを認めさせろ。
そこで何もしてないなんて答えるようなら、おめでとうそいつは間違いなくクソガキだから今後家の外に出さないでくれ。
次に『なんでやったのか。』問いただす。
だいたいは相手が何かやってきたとかだろうな。
そこでなんとなくとか、なんかムカついたとか答えようもんなら、そいつはもう救いようのねぇサイコパスだ。
だって〇〇されたんだもん、て答えるやつが多いかな。
この「だって」、使わせるな。
自分の非を認めたあとの「だって」は、“自分は悪いことをしたけど、相手が先だから相手の方が悪い。相手の方が悪いことしたんだから自分は悪くない”って言ってるようなもんだ。
往生際が悪い。
「どっちが悪いか」なんて話、ハナからしてねーんだよ。
『そうか嫌なことされたのか。
嫌なことされたら叩きたくなるよね。
じゃあ相手も叩かれて嫌だったから、叩き返されても文句言えないね。』
こどもはなんて言うだろう?
とっさにやだ!って言うかな。
『なんで嫌なの?
自分はやったくせに。
自分が嫌なこと他人にはやるんだ。
よくそんなことできるね。
嫌なことされて相手はどう思ってるだろう?
わかる?
わからないでしょ。
だって自分は叩かれてないもんねぇ。
でもさ、叩かれたらわかるんじゃない?
だから一回叩かれてみようか。』
ここで「さっき〇〇されて嫌だったから嫌な気持ちわかる!」って答えたならなかなかの切れ者だ。
大抵はこんな脅しされたらこわくてパニクってそれどころじゃなくなるだろうな。
でも泣かせない、逃がさない。
もちろん本当に叩く必要はないけど。
更に言えばここまで脅す必要もないけど。
「相手はどう思うか」を考えさせよう。
十人十色の答えがあっていいはずだ。
「痛い」とか「嫌い」とか「一緒に遊びたくない」とか。
これに正解はない。
『〇〇しちゃダメだよね?』みたいに、用意された答えなんてない。
ちゃんと答えられたら、それを認めてあげよう。
で、受動的であれ能動的であれ、ここまできたら『じゃあ次からはやらないようにしようね。』で終わらせるやつ、多いんじゃないか?
そうじゃねーだろ。
次からは叩いちゃいけない。
蹴るのはいいのか?
違うよな。
じゃあどうすればいい?
その答えをこどもが出せないまま放り出すから、また同じこと繰り返すんだろが!
こどもが同じこと繰り返すのはな、こどもがバカだからじゃねぇ、親がバカだからなんだよ!
むしろこどもってのは大人なんかよりずっと飲み込みも物覚えもいいんだ。
これもまずはこどもに考えさせる。
次からはどうすればいいか。
どうしたら解決できるか。
この問題は難しいから、大人が助け舟を出してやってもいいだろう。
大人ですら悩むことがあるだろう。
それくらい難しい。
一緒に考えて、すぐに最善策を見つけられなくてもいい。
とりあえず導き出した案を、次に実行してみてそれからまた考えてもいい。
対策が見つかったら、最後にきちんと謝らせる、ってのは言われなくてもできるよな。
で、これまた肝心なのが、相手も忘れず説教するってことだ。
そもそもの原因はこいつだからな。
喧嘩両成敗、どっちが悪い、どっちのが悪いなんてのはない、どっちも悪い。
泣いてる方が悪くない、泣いてる方が怒られないなんてのはもってのほか。
叩いた方とおんなじように、話をする。
きょうだいだったら尚更だ。
どっちかがお兄ちゃんお姉ちゃんでそっちしか怒らないなんてこと死んでもするな。
まさか、兄が、今泣いてて全然怒られない弟の歳だったときから『お兄ちゃんなんだから。』なんて言ってないよな?
どっちも可愛い大切なこどもだろ。
贔屓なんてするな。
我慢させるな。
聞き分けがいいのは「お兄ちゃんだから」じゃない。
もっと愛されたいからだ。
下の子みたいに甘やかされたいからだ。
平等に叱れ。
そして平等に愛せ。
それが親のしつけってもんだ。
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