【美大生・美大予備校生必見】平面構成とは?
自己紹介
はじめまして!
T美術大学グラフィックデザイン学科卒・某美大予備校講師を経験した、
「ひとり」と言います。よろしく!
趣味は、抹茶のお菓子探しです♪
キットカットの抹茶バージョンは最高だよ
さあ、
ここでは、美大生・美大予備校生のために
『平面構成』
を分かりやすく解説していきたいと思います!
美大生の皆さんにとっては、平面構成はもはや過去の産物かもしれませんが、
「平面構成とは?」
と聞かれたらなかなか答えられないのではないでしょうか?
美大予備校生の皆さんは、
「構成が良くない」
「形が良くない」
「つまんない」
こんなことを予備校の講師に言われてませんか?
そんな皆さんに
金言を賜りたいと思います!!
これで、平面構成なんて、
楽勝です♪
平面構成って?
デザイン系の美大予備校生が必ず通らなければならない、
『平面構成』
この平面構成とは、
デッサンとともに、デザイン系の美術大学入試課題になっている、アクリル絵の具などを用いた制作物です。
そう、だいたいの美大予備校生が、
めちゃくちゃ苦しみます。理解するのに
「まじ意味わからん…」
という感想を持った平面構成の作品を、1年後見たときに、
「あー!!そういうことかー!!!」
と、理解。
遅い。だが、平面構成を本当に理解するのは、年単位かかります。
ただ、
美大予備校生は、入試をクリアすれば美大には合格できるので、
平面構成の入試課題に対して、なんらかの対策を打ってくる人が多いですね!
入試直前でうまくいった、色だったり、形だったり、構成だったり…
入試対策!!全然それでいいんです!
美大予備校とは、美大に合格することが目的なので!
いいんです!!!いいんです。が、
平面構成には、デザインのめちゃくちゃ大事な要素が、
めちゃくちゃ詰まっているのです…
平面構成とは?
晴れて美大生になれたあなた!美大予備校でモヤってるそこのあなた!
ここからは、この記事で1番大事なことを言います!
そう!
『平面構成』とは…
平面作品における “空間と質の表現” のことです。
…文章にするとアレですね、
「そんなの当たり前」感が強め〜
そうです!言葉だけ聞くとね!
では、平面作品における、空間と質とは何でしょうか?
空間と質……
かなり広い定義だと思いますが、では、
【問題】
正円を7つ、直線を7本使って、空間を表現してください。
※正円の大きさ、直線の長さは変えても良いです。
※正円と直線の線の色は黒、正円の塗りは白とします。
※線の太さは、一定の太さとします。
※正円は楕円に、直線は曲線にしてはいけません。
※正円は、画面からはみ出てはいけません。
いきなり問題、条件多め。
平面構成の課題っぽいですね〜
まあそんなにかたく考えずに、
丸と棒を使って、空間をつくってみてください!
できましたか?
この問題は、得意な人は無限に回答が出てくると思いますが、
参考までに、私の空間の回答を3つ載せたいと思います!
はい!どうですか?
上の3つの図がどのような空間か、何となく想像できますか?
ここで、平面作品における空間と質とは何かを伝えたいと思います!
平面作品における空間とは、それぞれの位置関係のことです。
上、下、前、後、近い、遠いなど、
他者が見た時にどのような配置になっているのか理解しやすいよう、
それぞれの位置関係を決めます。
また、
平面作品における質とは、素材の特徴や変化の有無のことです。
ツルツル、細長い、種がある、集団で行動する、熱いことによって溶ける、叩いたけれど硬くて割れないなど、
他者が見た時にどのような形や状況になっているか理解しやすいよう、
素材の特徴や変化の有無を表します。
空間と質を考える時は、具体物や具体的状況を考えると、アイデアが出しやすいデスヨ!
では3つの図の、空間と質について解説していきたいと思います!
(空間の問題でしたが、ついでに質についても解説します!)
【1つ目の図】
空間について、
3本の水平の直線に正円が通っているように見えます。正円と直線の重ね方で手前と奥を表現しているような位置関係です。
質について、
それぞれの正円は、直線を正円の中心に通すことができるもののようなので、そろばんや白玉やドーナッツのような素材と言えます。
【2つ目の図】
空間について、
直線が右上に向かって広がっていき、正円の出現によって右上に向かっていた直線が右下に向かい、正円もそれにしたがって右下へ落ちていくような位置関係になっています。
質について、
直線が右上に向かって広がっていきましたが、正円の出現によって、繋がっている7本の直線がしなっているように見えます。直線はしなることができる、弾力がある素材と言えそうです。
また正円の上に直線を重ねることによって、正円が水滴のような透明感のある素材に見えます。
【3つ目の図】
空間について、
右奥から左前に向かってくる遠近感がある空間を、手前の5本の直線の引き方によって、それまでの右奥から左前にまっすぐに向かってくる流れから、一定ではない広がり方を感じさせるような位置関係になっています。
質について、
1番大きな正円と右奥の正円を2本の直線で繋ぐことによって、遠近感がある円柱の形に見えます。
また、1番大きな正円の中に小さな5つの正円があり、これらの正円それぞれから直線が広がっています。懐中電灯のような、円柱の中から何か放つことができる素材と言えそうです。
《補足》
今回の問題と上の3つの図は、空間と質を分かりやすく伝えるためのものです。
実際に、上の3つの図をそのまま平面構成で使うと、単調且つ足りない印象になるので、平面構成ではもっと大袈裟に空間と質を表現してください!
問題をやってみて、いかがでしたか?
美大予備校の平面構成は、
“空間と質の表現” で完全に100%成り立っています。
なので、空間と質の理解がとても重要です!!美大予備校生のみなさん!!
ちなみに描写をする平面構成は、
描写をすることで、空間と質はもう自動的に含まれてしまっています。
描写をしない平面系や立体系の平面構成は、空間と質を自分の意志で、明確に、端的に入れてください。
「でもそこまで細かく理解しなくても良くない?
空間と質が分かっていなくても、平面構成はできるよ!」
はい。
確かにそうかもしれません。
ですが、この空間と質を分かっていないと、あることが確実にできません。
それは、
“不要なものを省くことができない”
空間と質を分かっていない。
分かっていないと、言葉で説明することができない。
言葉で説明することができないと、何が不要なものか明解にならない。
そして結果的に、不明解な平面構成が出来上がります。
この言葉で説明する力は、
空間と質だけに限らずです。
「何でこの色を使ったの?」
「何でこの構成にしたの?」
などの質問に言葉で説明できて初めて、本当に理解したと言えるでしょう。
自分が使っている表現すべてを言葉で説明できるようになってほしいですが、
空間と質というのは、認識すること自体が少し難しいです。色や構成などよりもだいぶ。
おそらく最初のうちは、空間と質だということを知らずに使っている人がたくさんいると思います。
ここをしっかり空間と質だと認識し、言葉に変換できるようになれば、平面構成は、
楽勝です♪
最後に
平面構成で学んだ “空間と質の表現” は、デザインをする上で基本となるような、根幹となるような部分です。
ですが、美大予備校、美大と経て、その後デザイナーなどになると、
“空間と質の表現” のみでは成り立たなくなることが、多々出てきます。
そんな時は、この言葉を思い出してください。
「デザインはアート(術)なり、サイエンス(学)にあらず」
ここまでいろいろ語ってきましたが、
デザインをする上で最も重要なことは、
どういう信念を持って、何を伝えるか。これに尽きます。
皆さんの可能性は無限大です。
頑張ってください!!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?