定期預金の金利が7%!10年放ったらかしで貯金が2倍になる、海外の銀行口座開設のすすめ
世界が高金利のなか日本だけが超低金利
日本では、依然として、金融緩和に伴う低金利が続いています。不動産投資や自宅購入など、お金を借りるときには、金利が非常に安く、自宅を購入する際の住宅ローンでは、0.25%なんて、ほとんど金利がかからずに借りれる状況になっています。一方、貯金の金利は、もっと低く、日本の大手銀行の一つであるみずほ銀行定期預金の金利は、0.002%です。
例えば、1億円を定期預金に入れると、年間の利息は、なんと2,000円。
そこから20.315%の税金が取られるので、1,593円が手元に残ります。時間外にATMでお金おろしたら、何回かでなくなってしまう額です。
そのまま引き出さずにいると、複利で金利がつくので、
1億円を10年間預けてみると利息は、15,931円です。10年間1億円を貯金しても、寿司1回も食べれない金額しかもらえません。
一方、日本以外のほとんどの国では、金融引き締めを行っています。金融引き締めですから、こちらは打って変わって、高金利です。預金金利高くなっていますが、その分お金を借りるのも高金利になっていて、例えば、米国で住宅ローンを借りようとすると7.5%くらいになっています。
日本とアメリカ、1億円の住宅ローンを組むと利息は41倍の差
日本と米国で住宅ローンを1億円借りたとすると、1年あたりの利息は、日本は25万円、米国は、750万円になります。
1億円の35年ローンを組んで元利均等払いをした際のそれぞれの国での毎月の支払額は、
日本 毎月248,688円 総返済額 104,448,997円
米国 毎月674,242円 総返済額 283,181,902円
なんと、日本の場合35年間の金利はわずか445万円、米国は1億8318万円です。もちろん、変動金利なので、35年間固定ということはないので、これは机上の空論です。金利差が30倍もあるので、比較すると面白いですね。
日本の政策金利だけがマイナス・トルコはなんと25%
一方、預金は、さらに差が開きます。高金利なのは、米国だけではありません。
比較のために各国の中央銀行が一般の銀行に貸し付ける金利である政策金利で比較するとわかりやすいのですが、
日本 -0.10%
米国 5.50%
英国 5.25%
ユーロ 4.50%
トルコ 25.0%
中国 3.50%
と日本だけマイナス金利、他の国は、概ね3−5%あたりです。高いインフレとトルコリラの下落が止まらないトルコは、25%と超高金利になっています。
政策金利は、その国の預金や貸出金利に影響を与えるので、トルコの銀行の預金金利は、15%を超えています。
では、トルコの銀行に預けるかというと、下落の止まらないトルコリラで持たないといけないので、利息で稼いでも、為替損で負けてしまう可能性があるので、怖くて預けられません。
一般的に、超高金利を得るには、その国の通貨で預金しなければならず、超高金利の通貨は、一般的に高いインフレで価値が下落していることがおおいです。
海外銀行の米ドル定期預金は、年利6〜7%と高金利 10年寝かすと2倍に
そう考えると、対象は、基軸通貨の米ドルかユーロに限られると考えていいでしょう。
米ドルであれば、アメリカの銀行、ユーロであれば、EU加盟国の銀行に預けると考えがちですが、米ドル、ユーロは、基軸通貨なので、特に米ドルは、アメリカ以外の国でも、決済通貨をして使われていることが多いため、アメリカはもちろん、アメリカ以外の国の銀行で、高い金利で預けられるというケースがあります。
米ドル建ての定期預金金利は、高いところでは、6−7%のところもあります。先程の住宅ローンは、単利ですが、預金は複利です。
複利の場合、前にもご紹介しましたが、何年で2倍になるかを概算計算できる72の法則というのがあります。72を金利で割ると預金が2倍になる大体の期間がわかります。
72の法則 72÷金利(%)≒お金が2倍になる期間
例えば、7%の金利だと
72➗7=10.28年 ちなみに10年預けると1.96倍になります。
6%の金利だと
72➗6=12年 ちなみに10年で1.79倍、12年で2.01倍になります。
15%の金利だとすると
72➗15=4.8年 5年で2.01倍 10年預けたら4.04倍になります。
外貨預金は為替変動で利益が上下する 下がったらドルのまま再投資
外貨で預金する場合、金利の他に変動要素として、為替レートがあります。米ドルでいうと、例えば、1ドル100円のときに円からドルに替えて預金して、満期で返ってきたときに、ドル高になっていて1ドル110円になっていたとしたら、円に転換すると金利とは別に10%の為替差益がでます。逆に、1ドル90円になっていたとしたら、円に転換すると、金利で儲かっていたとしても、それとは別に10%の為替差損が出てしまいます。
例えば、1ドル100円で変換して1万ドルを年利7%で10年預けたとします。(単純化するために税金は加味していません。)
5年で1.96倍になるので、1万ドルは、19,600ドルになり、9,600ドルの利益です。
このときに1ドルが110円になっていたとすると
19,600ドル=2,156,000円 元々100万円だったので、1,156,000円が利益になります。
逆に1ドルが90円になっていたとすると
19,600ドル=1,764,000円 元々100万円だったので、764,000円が利益になります。
と大幅に変わってしまいます。
日本円も基軸通貨ですが、米ドルやユーロも基軸通貨で、この3通貨で世界3大基軸通貨と言われています。基軸通貨とはいえ、資産を一国の通貨だけにしておくのは、リスクです。分散投資の意味で、資産の一部は、ドルやユーロなどで持っておくことが、投資の世界では常識とされています。
満期時に円安ドル高だった場合には、円転換するのはいいのかもしれませんが、満期時に円高ドル安で、円転換してしまうと、円ベースで利益が目減りしてしまうのであれば、円転換せずにドルのままにしておいて、再び、定期預金にいれてもいいですし、S&P500などのインデックスファンドやETFなどドル建ての資産に投資する際に使ってもいいと思います。米ドルが使える国で米ドルとして使うというのでもいいでしょう。
海外の銀行口座って日本人でも作れるの?どうやって作るの?
海外には、金利の高い預金ができる銀行があることはわかりました。米ドル建ての預金に関しては、米国以外の国という選択肢もあることがわかりました。
ここで一つの疑問がでます。そもそも、海外の銀行口座って日本人でも作れるのか?
原則として、ほとんどの海外の銀行は、その支店がある国に住んでいないと口座開設を受け付けてくれません。が、例外的に、いくつかの銀行は、外国人でも、口座開設ができる銀行があります。
例えば、米国の銀行でいうと、大半の銀行は、米国の住所をもっていないと銀行口座を開設することができません。
が、例外はあって、例えば、ハワイ最大の銀行、ファーストハワイアンバンクなどは、ハワイに不動産を購入する日本人の富裕層を積極的に取りこもうとしてるのか、専用の部署もあり、日本のパスポートだけで、口座開設をしてくれます。ただし、原則は現地の支店に行って、手続きする必要があります。
他には、米国カリフォルニアに本店を持っていた、ユニオンバンクは、三菱UFJ銀行の子会社であったこともあって、日本人向けの専用の窓口ジャパンデスクがあり、日本人でも口座開設ができました。しかも、親会社の三菱UFJ銀行が開設手続きを受け付けてくれたので、日本にいながらにして、渡米することもなく、口座開設まで完了することができました。
過去形なのは、先日、三菱UFJがユニオンバンクを米国の銀行US BANKに売却し、移行作業をしており、すでに口座を持っている人は、使い続けることは可能だとのことですが、今後の開設については、わかりません。
米国以外の銀行も、非居住者の口座開設については、銀行毎に対応が異なっていますが、殆どの場合、現地で手続きをする必要があります。まれに、日本から開設を受け付けてくれる銀行もあったり、かつては、できていたけれど、今はできなくなったとか、流動的ではあります。
一方、最近では、ネオバンクやチャレンジャーバンクというジャンルのスマホやウェブで完結するデジタル銀行が各国にでき始めていて、口座開設から、実際の取引まで、オンラインで完結できるというものをあります。
従来の銀行のように立派な店舗や、多くの従業員を抱えておらず、手続きはオンラインでデジタル化することで、運営コストを抑えられるので、高金利での預金や、低金利での貸出を可能にしているというものです。こちらは、居住国などの制限が少ない物が多いです。
海外の銀行口座を日本に居住している日本人が解説することは合法
結論をいうと、日本に住んでいる我々日本人が、海外の銀行口座を作って使うことは、合法です。
実際、僕も、米国に所有している不動産の賃貸収入の入金や支払いをすることを目的に、米国の銀行口座を持っていますし、資産運用目的でオフショアの銀行に口座を開いたりしています。
オフショアとか海外の銀行に口座を持つというと、税金逃れとか思う方もいらっしゃるかもしれませんので、念のため言っておくと、どこの国の銀行口座を所有しようと、日本に住んでる日本人は、全世界ででた利益はすべて課税対象ですので、もちろん、全て、確定申告をして、税金も収めております。
アップルやグーグルなどが、タックスヘイブンに子会社を建てて、複雑なスキームを組み上げて、合法的に税金逃れをしていることは、周知の事実ではありますが、あれをやるには、莫大なコストと複雑なスキームを構築・維持する手間がかかりますので、我々個人には、できませんし、やっても、コストが合いません。
今回の目的は、単純に、海外の金利の高い銀行に口座を作って、貯金をして、高い利息も受け取るというだけです。日本に対しては、税金の申告は必要です。
細かいことをいうと、今回の海外銀行の利息は、雑所得として処理されるので、他の雑所得と合わせて、1年間の金利が20万円に満たない場合には、確定申告の必要はありませんので、結果的に無税になります。
申告すべき収益を申告しない場合には、当然罰されますが、海外の銀行口座を開設、保有していることで罰されることはありません。
日本居住者が作れる金利の高い海外銀行 米ドル定期預金
定期預金金利 6.35% アクレダ銀行 カンボジア
アクレダ銀行は、カンボジアの銀行で、筆頭株主は三井住友銀行、オリックスも株主というカンボジア最大の銀行です。
3ヶ月毎に金利が支払われる5年定期で金利は6.35%。非居住者も口座開設可能ですが、公式ウェブサイトを見ると、申込用紙をダウンロードして記入した上で、現地の支店で手続きが必要との記載があります。
日本に有料で開設をサポートする会社がいくつもあり、そういったサポート会社経由だと、日本にいながらにして、口座開設ができるようですが、大体15万円〜20万円のサポート費用がかかるようです。
スマホで完結するアメリカの高金利ネット銀行
5年定期金利7% オンライン開設可能Asian Bank and Capita Trust 米国
こちらは、米国のワシントンDCで米国外居住者向けに限定した銀行ライセンスを取得した銀行。いわゆるチャレンジャーバンクで、銀行のライセンスを取得した上で、オンラインバンキングに特化することで、安価な利用コスト、高い預金金利、スマホ上で完結する利便性を提供しているようです。
米ドルの5年定期は7%という高金利です。チャレンジャーバンクらしく、米ドルだけでなく、Bitcoinなどの暗号通貨の入金も可能なため、BitcoinやETHなども持っている方には、使い勝手がよっそうです。
口座開設時にチタン製のゴールドかブラックが選べうVISAデビットカードが発行されます。このカードを使うのは、アメリカに行ったときにドル決済で使ったり、ドルベースの海外通販をするときにしか使わないと思いますが、チタン製のカードは、ナンバーレスで見た目がなかなかかっこよさそうです。
口座開設は、オンラインで可能なので、渡米する必要なく口座開設が可能なので、作って、5-10万ドルくらい入れて放置しておくのがよいかと思います。
ペイオフの対象外なので、あくまでも余剰資金を
日本国外の銀行は、もちろん、日本のペイオフの対象外なので、万が一銀行が破綻したり、倒産したときには、日本のペイオフでは預金は補償されません。
ペイオフ制度は各国でない国が多く、カンボジアの銀行は、おそらく、預金補償制度自体がないと思います。米国は、ペイオフ制度はあり、米国国内銀行の預金は、元本分25万ドルまでが補償対象ですが、先日破綻したシリコンバレー銀行では、預金は大統領令により、全額補償されましたが、これは特例であり、今回のAsian Bankは、米国のライセンスとはいえ、米国外居住者向けなので、おそらく、米国のペイオフの対象外だと思います。
海外の銀行や証券会社などの金融機関に限らず、金融機関であっても破綻して倒産したりすることはありますので、絶対に、持っているお金を全部突っ込むようなことはせず、分散することをおすすめします。