「メモの魔力」を読んで

装丁がいい。見た瞬間に「ハリー・ポッター」を連想したのは自分だけだろうか?

以前に著者の前田さんの別の本「人生の勝算」も読んだが、熱を伝播させるのがうまいと感じた。熱意を感じさせるものは色々あるだろうけど、相手を奮い立たせるのはより難しいのではないか。おそらくそれだけ身を削り、言葉に変換しているということ。成功する経営者ってこういう人が多いのかなと勝手に想像した(ではないかとかおそらくとか、実に身勝手な妄想)。
そうか、これを抽象化すると
◉尽きない燃料(熱意)を燃やし続ける、油田を自分の中に持つ人が成功する。
★やはり石油王が一番の成功者(これは転用失敗)。


ものすごく大雑把に捉えると、本書の構成もある意味でメモスタイルと近い。一章ではメモの利点や取り方など具体的事象について、二章三章はメモの本質を様々な角度で深く掘り下げる(掘り下げることは、広い地面の表面に囚われずその下にある一点向かうという意味で抽象的行為だろう)。四章五章は自分の夢や生き方への転用になる。もっと言うと章の中もその三段階に分けれそう。


もはやメモを取る必要がない。
抽象的な話を自分の経験から具体的なものに落とし込んで話を進めているので、とてもわかりやすくスッと入ってくる。頭の中でイメージを組み立てなくてもいい。
ある意味それによって抽象度は下がるともいえる。前田さんの持つ思考の原風景というか、純粋な本質からはどうして離れていってしまってはいるだろうと想像する。しかしあまりに抽象度が高すぎるとそれを脳内に展開するのにハードルが上がる。そのまま抽象的なものを受け取れる人ならいいけど。少なくとも自分には難しい。だから非常にありがたい。それでこそ人は理解し行動に移せるのだろう。

前田さんがこのメモスタイルに至ったその始まりは、無意識か、自己のメモのやり方を抽象化し、よりシームレスにする為の転用の末なのか。少し気になる。

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