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コロナ禍での経済と人命

コロナウイルスもすでに爆発的なパンデミックが収束しつつあり、第2波の対策へと議題が変わっていますが、自粛期間中に考えていたことを書きます。

日本では4月7日に発令された緊急事態宣言が5月24日まで延長され、国民に多くの影響を与えました。
海外ではロックダウンと呼ばれる国による強制的な移動の制限、経済活動の停止が行われましたが、日本政府にはその決定権がありません。
これに批判する人もいましたが、第二次世界大戦がなぜあのような惨事になったのかを忘れてしまったのでしょうか?
国民の活動を国が支配できるようになってしまったら、かつての大日本帝国となにが違うのでしょう?「有事」という言葉を使えばなんでも許されてしまう事態になりかねません。

さて緊急事態宣言ですが、これは人命を守るために経済を犠牲にするということですね。人命>経済という考えのもとは宣言されましたが、この考えは間違っていないのでしょうか?

歴史が証明しているように、不況の時代には自殺者が増えます。ブラックマンデー、リーマンショック、バブル崩壊など例外はありません。
不況→雇用の減少→所得減少→生活苦という流れは逆らうことのできない連鎖です。今の時代はITの発展によりテレワークなどで補える部分もありますが、そうはいかない業種もあります。
すでに観光業をはじめ、多くの会社が倒産しており、国内の失業者は300万人にも達するといわれています。
一方、コロナウイルスによる死者は5月30日現在で882人。コロナショックによる自殺者数の統計を取ることは不可能ですが、コロナウイルスによる死者数を上回ることは想像できることかと思います。

これは「卵が先か鶏が先か」のような話になってしまいますが、人がいなければ経済活動はできませんし、経済活動がなければ人命も守られないのです。しかし明らかなことは、感染拡大防止だけに注力し過剰な自粛をすることはかえって国民の不幸を招くことになるということです。

ウイルスを根絶することはほぼ不可能であり、今後はウイルスと共存する道を探すほかありません。まだ有効なワクチンも開発されておらず、予断を許さない状況ですが、感染防止と経済活動を両立しなくてはならない難しい局面です。
雇用の減少、自殺者の増加は避けられないことと思いますが、少しでも抑制できることを祈ります。

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