戦争と現代の利便性
「戦争に賛成か反対か」と聞かれて、賛成だと答える人は少ないと思います。戦争は悪であると義務教育で学ぶからでしょうか。
皮肉なことに私たちの生活は戦争のおかげで発達したものい囲まれています。その利便性を享受しながら、「戦争反対!」と声高に叫ぶことができるでしょうか?
例えば当たり前に飛行機に乗っていますが、戦時下の軍事競争なしに航空技術の発達はあったのでしょうか?インターネットやGPSも軍事目的で開発されたことが起源です。食料品では、缶詰もそうです。ナポレオン時代のフランスで保存の利く軍用食糧として開発されました。定期健康診断も、戦力になるかを判断するために始まったとされています。
近代以前の戦争においての戦争は悲劇ではなく、それによって世界にどのような影響を与えたかを習った記憶があります。戦争の残虐性はどの時代においても変わらないはずなのに、WW1以降の戦争が急に「悪の権化」のように語られるのには違和感を覚えます。アレクサンドロス大王やナポレオンの遠征はなぜか美化されていますよね。
タラス河畔の戦いではアラブ世界に製紙法が伝わり、出版・新聞などに繋がり、後の情報革命の大きなきっかけとなりました。宗教もまさに戦争と共に伝播した部分が大きく、特にスペインによる中南米へのキリスト教布教はその象徴ともいえるでしょう。批判される部分が多いですが、現在では中南米の人々がキリスト教を心のよりどころにしていることも事実です。
もし今まで起こった戦争のうち一つでも起こらなかったら、今の私たちの生活はないかもしれません。もっともインターネットが発達し、世界中のあらゆる情報を簡単に知ることのできる現代においては、技術の発展というメリットよりもデメリットのほうが圧倒的に大きいと思います。
「戦争は悪だ」と固定概念をもって批判することは簡単ですが、自分たちを取り巻く環境もまた戦争によってできていると考えるとより深い考え方ができるはずです。
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