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帰るまでが遠足(登山)

北アルプス物語その8 〜最も危険なルート〜

3106m

北穂高岳登頂。

今日は下山。

二日間かけた道を一日で下る。

無事に家まで帰りたい。

風呂に入りたい。

美味しいものが食べたい。

たくさん寝たい。

休みたい。

ゲームしたい。

おっと、

山で煩悩が湧いてくる。

ここまでにしよう。

下界が近づくと、

下界が別世界だということ、

まあ、実感させられる。

夜でも明るい街並み。

映像が流れるテレビ。

スイッチ一つで何でもできる。

文明の有り難み。

下界は便利だ。

山に入ると、

携帯電話、ネットと別れる。

目に見えるものと向き合うしかない。

足元の草や石ころ。

すれ違う登山者の顔。

木でできた道案内の看板。

たまに見かける動物たち。

終わりを告げる旅路に、

いたく感傷的になる。

もしかすると、

現代人はモノや情報に囲まれ

大切なことに盲目的になって…。

山を降りると、

登山者は賢くなる、気がする。

エッヘン。

まるで哲学者。

随分とエラくなるモンだ。

下山はしても、

まだ帰路はつづく。

家に帰るまでが大事。

これから家まで運転。

ナビ入力して判明。

「到着まで5時間34分」

ほう。

すぐには寝させてくれないようだ。

結果。山はハード。

自分との対話が濃密になる。

北アルプス物語、

これにて終わり。

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