横尾でランチ
これまでの話は
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「山はじめました」
からどうぞ。
北アルプス物語その3 〜カップ麺〜
北アルプス1日目、続きの話。
これから昼食。
私は小屋のカップラーメン。
Aは持参したカップラーメン。
どちらも、王道のアレ。
特に変わりはない。
あるとすれば購入価格。
街では200円、山だと400円。
そう、これが山ルールである。
知っている。勉強済みだ。
そう、驚かない、私は!
あらかじめ知っているので動じない。
しかし、Aにとってはバカバカしい。
持ってくれば良かったのに、と。
得意げな様子も確かにうなずける。
まあ、よいではないか。
いざ、ランチなのだから。
目前に迫った、久方ぶりの食事。
美味しいに違いない。
Aの嫌味も些細なこと。
そのときだ…。
Aが周囲を見渡しつぶやく。
「お湯どうしよ…。」
誰かを頼ることなど、
到底できない状況。
Aは一見、落ち着いて見える。
まあ、そうだろう。
あれだけ得意げだったから。
弱みは見せられない。
私は友人Aの不幸を身近で喜んだ。
それ!見たことか!!と。
お湯がなく、
途方にくれる友をみて、
私は腹を抱えて笑った。
もちろん心の中で。
現実的に顔は鉄仮面。
悲壮感漂う心配モードだ。
さあ、Aよ!どうする?
さっきまでの勢いは?!
結果。山ではふとした瞬間に
立場が入れ替わる。気をつけろ。
その4につづく。
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