「アウトサイダー」だからこそ見えるもの――元やくざであった進藤牧師のインタビュー動画をみて
元やくざでもあった進藤牧師によるインタビュー動画のリンクを友人が送ってくれました。英語字幕付きで、世界の人々に向けて日本の霊的な状況を説明した内容になっています。
この動画をみてまず「進藤兄、よく言ってくれました!」と感謝しました。わずか四分弱の動画ですが、彼は日本のクリスチャンの置かれている状況をずばり言い当てており、本質を突いていると感じました。
進藤師は、日本の内側と外側両方の視点から、客観的にこの国の状況やキリスト教のかたちをみており、日本を覆っている空気の重さについてもまったく同感でした。そしてだからこそ、日本人クリスチャンはこの国において福音の光を輝かせないようにしている霊的要塞を打ち破る祈りをしていくことが大切であるという旨を語っておられました。
私はこれを拝聴しながら、批評家の浜崎洋介氏が言っておられた「日本におけるアウトサイダー」のことを思い出しました。
浜崎氏は河上徹太郎著『日本のアウトサイダー』(中公文庫)の中で取り上げられている人物(内村鑑三、中原中也、萩原朔太郎、岩野泡鳴、河上肇、 岡倉天心、大杉栄)を例に出しながら、西洋のように「正統」としてのキリスト教のようなバックボーンのない日本における「道外れ者(outsider)」の特異なる存在意義を以下の動画で語っておられます。
進藤師は、やくざからキリスト教の牧師へという劇的な生まれ変わりを経験されておられます。ですが、今日はっと気づかされたのは、立ち位置は大きく違えども、やくざも日本人キリスト者も、日本におけるアウトサイダーという点では同じだなぁということでした。
こういう言い方が許されるのかどうか分かりませんが、神のくすしき摂理の中で、進藤師は回心前から日本において「アウトサイダーであること」を、ある意味トレーニングされていて、それが回心後、御霊の働きの中で、「聖なるアウトサイダー」として昇華されていったのではないかと。
また動画の中ほどで進藤師が現在日本にあるキリスト教の主流はアメリカ型であって、それはそれでいいのだけど、「日本人的なキリスト教徒で、もっといいと思う」という感想を述べておられましたが、この部分は、私の前記事の主旨と重なるのではないかと思いました。
それから日本に対する神のみこころという部分〔2:25-〕で、進藤師は「ユダヤ人が救われる手前で日本人が救われるんじゃないかなぁと勝手に思ってます」「神様の最終兵器・秘密兵器が日本人じゃないかなって思ってるんですよ」と面白い見解を述べておられました。
実は先日、知り合いのギリシア人正教神学者であるB氏と日本宣教・アジア宣教について話していた時に、彼もまた「日本にクリスチャンが少ないと言って落ち込んではいけない。あなたがたの地域には西洋が失ってしまった美しい伝統や倫理観が今も保持されています。日本の、そしてアジアの霊的目覚めはこれからです」と言っておられました。
みこころがなりますように。主よ、どうか私たち一人一人を御霊によって強めてください。あなたは世の光です。あなたは日本人を含めた「すべての人を照らすまことの光」(ヨハネ1:9)です。
どうか私たちの心の中で王であるあなたの光が耀き出でますように。「光は闇の中で輝いている。闇は光に打ち勝たなかった」(ヨハネ1:5)。このみ言葉の真実を私たちが今日というこの日に心の目で、信仰の目で見ることができますように。アーメン。