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『An Overview and Predictors of Achieving the Postoperative Ceiling Effect of the WOMAC Score Following Total Knee Arthroplasty』を読んでみた!

本日の論文は、Nicholas D Clement先生が執筆され、2019年にJournal of Arthroplastyに掲載されたものです。こちらの論文を要約し、批判的吟味をしてみました。

Introduction

本研究の目的は、①TKA患者を対象としたWOMACスコアの項目ごとに天井効果の有無を検討し、術前の変数から最大スコアに達成する者を予測すること、②最大スコアに達成した者とそうでない者で、身体機能の改善度と満足度を比較することとした。

Methods

研究デザインは、後ろ向きコホートとした。対象は、2003年7月から2013年6月までに、膝OAにより初回TKAを受けた者とした。両側同時TKAと術後感染症を呈した者は除外した。二期的に両側TKAがなされた者は、最初の手術時のデータを採用した。アウトカムは、人口統計学的情報、BMI、併存疾患の有無、WOMAC(疼痛、身体機能、こわばり)、SF-12、満足度(4段階のリッカートスケール)とした。統計解析は、最大スコアに達成する者を予測するために、従属変数を術後1年で最大スコアに達成したか否か、独立変数を人口統計学的情報、BMI、併存疾患の有無、術前のWOMACスコア、術前のSF-12スコアとした多変量ロジスティック回帰分析(強制投入法)と、最大スコア達成の有無と満足したか否かの2値データ同士の関連を明らかにするためにχ2検定を実施した。

Results

選択基準を満たした者は2589名(平均年齢68.9±9.7歳、女性1402名)であった。術後に最大スコアとなった者は、疼痛項目で26.8%(695名)、身体機能項目で6.4%(165名)、こわばり項目で21.2%(548名)であった。最大スコアを予測する変数は、疼痛項目では低いBMI、併存症(胃潰瘍、貧血、うつ病、腰痛)なし、高い術前値、高いSF-12(PCS, MCS)スコアであり、身体機能項目で男性、低いBMI、併存症(胃潰瘍、腰痛)なし、高いSF-12(PCS)スコアであり、こわばり項目では男性、腰痛なし、高い術前値、高いSF-12(MCS)であった。最大スコア達成の有無と満足したか否かの関連は、全ての項目で有意差が認められ、最大スコアに達成した者の方が満足している割合が高かった。

Conclusions

WOMACの疼痛項目とこわばり項目は天井効果が認められたのに対して、身体機能項目では天井効果が認められなかった。最大スコアを予測する変数のうち、腰痛なしは3つの項目で共通しており、影響の強い変数と考えられる。

Critical Appraisal

    最大スコア=天井効果という解釈になっていないか?
    併存疾患を複数有する者に配慮した変数や解析をする必要はないか?

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