UKA後のスポーツ復帰状況はいかに!?
本日の論文は、2022年にGanan T. Radhakrishnan,先生らが執筆され、Orthop J Sports Medに掲載されたものです。こちらの論文を要約し、批判的吟味をしてみました!
Introduction
UKA後に安全にスポーツ復帰する(Return to Sports: RTS)時期について、コンセンサスは得られていない。そこで、本研究の目的は、UKA後にRTSするまでの時間とRTSした人数の割合を明らかにすることとした。
Methods
研究デザインはシステマティック・レビューとした。論文の包含基準は、初回UKA患者を対象にスポーツへの参加状況、術後にRTSするまでの時間をアウトカムとしている英語論文とした。レビューや分析に利用できる結果が掲載されていない論文は除外した。データ検索は、PubMed、Medline、Embase、SPORTDiscus、Cochrane libraryとし、検索期間はデータベース開始から2021年9月までとした。論文のバイアスチェックにはMINORS(非比較試験0-16点、比較試験0-24点で採点し、点数が高いほど質が高いと解釈する)を用いた。アウトカムは、RTSまでの時間、RTSの人数と割合、RTSに関連する合併症の数とした。論文の選定作業は2名で行い、コンセンサスが得られなかったときは第3者を交えて議論した。結果を統合するためにメタアナリシス(ランダム効果モデル)を実施した。
Results
検索された1479編のうち、11編(フォローアップ期間は1-48か月)が取り込まれた。11編のうち、8編は非比較研究(8.1/16点、low)、3編は比較研究(16/24点、fair)であった。RTSまでの期間・人数・割合の順に、術後1か月・57/227名・25.3(19.9-31.2)%、術後3か月・223/432名・48.1(36.3-60.2)%、術後6か月・340/443名・76.5(63.9-87.1)%、フォローアップ終了時点・689/749名・92.7(85.8-97.4)%であった。インパクト強度別の参加者(術前/術後)と復帰割合は、散歩・サイクリング・水泳等の低インパクトスポーツ773/742名(95.9%)、サッカー・スキー・ジョギング等の高インパクトスポーツ300/102名(34.0%)であった。RTSに関連した合併症の報告はなかった。
Conclusions
UKA後にRTSすることは可能であり、フォローアップ終了時には9割の方が復帰できることが明らかになった。ただし、多くの方が術前よりも低インパクトスポーツにシフトする傾向にある。
Critical Appraisal
方法論的には問題なさそう
医療従事者がどこまで許容したかがカギになりそう
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