『しゃべるピアノ』#ショートショートnote杯

 町外れの洋館には一台のグランドピアノがあった。館の主人は独り身で、アメリカ製のそのピアノをまるで息子のように可愛がっていたという。

 しかしある日、主人はピアノの前で首の骨を折って死んでいるところを発見された。

 派遣された二人の刑事が部屋を捜査していると、思いがけないことが起こった。ピアノが勝手に短いメロディを奏でたのだ。

「シラレ・レラレ・レミラレ。犯人に繋がるヒントになるかと思いましたが、意味が分かりませんね」

「いや、これはアメリカ製だろ。英語ではシはB、ラはAというように、ドレミファソラシドをCDEFGABで表すんだ」

「なるほど。そうするとつまり……」

 すると突然、ピアノはベートーヴェンの交響曲第九『歓喜の歌』を弾き始め、同時に屋根を激しく開閉させる。
 その裏には、どす黒い血がベッタリと付着していた。

「シラレ・レラレ・レミラレは……」

BAD DAD DEAD(悪い 父親 死んだ)、だ。

自己投資します……!なんて書くと嘘っぽいので、正直に言うと好きなだけアポロチョコを買います!!食べさせてください!!