言葉がでない!?理学療法士が伝える乳幼児が言葉を獲得する過程と育児のコツ
乳幼児の時期に言葉がでない!?どうして!?と思う家族の皆さんは少なくありません。今回、乳幼児の言葉と発達についてお伝えし、家族の皆さんでもできる育児コツを解説します。
“ことば”の発達に必要な条件
“ことば”の発達に必要な条件の一つとして「適切な環境からの刺激にさらされる」があります。この適切な環境とは、「乳児が周りにいる大人たちの屁護(ひご)のもとに置かれ、言語的、社会的な経験を得ることのできる場」を指します。適切な環境下において十分な言語的刺激を得ることができれば子どもは言語を習得します。
ここで大切なキーワードは「十分な刺激」となります。活発に言葉を聴く機会(言語的・社会的な経験)があり、子ども自身が自分の意志と感情を表現する(語と文法を表出する)。これが大切になります。
“ことば”の記号と意味を結ぶ
初めて子どもが“ことば”を獲得していくときに必要なことが、ことばという「記号」とその記号内容である「意味」をどのように結び付けられるかです。
例えば、「パパ」と子どもが発した時に、パパは大喜びして子どもを抱きしめたり、笑顔になったり、頭を撫でたりします。その瞬間に「パパ=この人が近くにきて喜んでくれる、褒めてくれる」ことが理解できるようになります。
つまり、子ども“ことば”を獲得していく重要な第一歩は、「言語音には指示対象がある」ということに気づくことです。
ことばの記号には意味があるということが理解できると、その量を増やしていくことで、例えば「ママ=お母さん」や「ワンワン=犬」、「ブーブー=車」のように覚えていくことができます。
加えて、育児の工夫として覚えてもらいたいことは「音そのものに意味を感じられる」ものを言葉で使うことが大切になります。例えば、「はねる=うさぎ」は子どもにとって意味を持ちにくいのですが、「ぴょんぴょん=うさぎ」はことばの記号と意味を感受しやすいです。
このように言葉の音(記号)と意味を結ぶための感受性はおよそ12か月~14か月ぐらいで培われていくと言われています。そのため、子どもが言葉を発する前ぐらいから、ことばの記号と意味を結ぶことを意識して育児に励んでみてほしいと思います。
いろんな経験と機会を得るために他者と一緒に居ることを選択する
言葉は放っておけば自然に身につくものではありません。周囲の人とかかわることにより、お互いの言葉を伝達する経験を通して獲得されていきます。夢中になって遊ぶ中で、自分の考えを言葉で伝えたり、友達とのトラブルや葛藤を経験したり、成功感や達成感を味わったりしながら、発達に必要な体験を総合的に積み重ねていきます。それにより、さらに発達が促進されていきます。
幼児教育(幼稚園・保育園)では、経験したことや考えたことを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養います。
つまり、自分や家族だけでなく周囲の人と共に、
自分の気持ちを言葉で表現する楽しさを味わう。
人の言葉や話などをよく聞き、自分の経験したことや考えたことを話し、伝え合う喜びを味わう。
日常生活に必要な言葉がわかるようになるとともに、絵本や物語などに親しみ、先生や友達と心を通わせる。
この経験こそ、乳児に覚えた“ことば”を生きていく上で大切な言葉として進化させていくために必要なことだと言われています。
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