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テレワークで満足を得られる人、得られない人の違いは?

 JILPTリサーチのデータにて「テレワークで仕事の満足を得られるか否かに個人差があることを、労働者の性格(パーソナリティ)の観点から考察」されたものをまとめていきます。
 テレワーク(在宅勤務)の実施が大幅に拡大し、テレワークが可能になるように業務内容・進め方を見直すこと、テレワークの生産性を向上させるための工夫を行うことはきわめて重要と言われています。
 同時に、労働者がその働き方から心理的な満足を得ているか否かも、感染症収束後に企業がテレワーク施策を継続するかにおいて重要な判断材料となると思われる。

パーソナリティ特性と仕事への影響

 人間の性格については、心理学において、「ビッグファイブ」といわれる5つのパーソナリティ特性で説明可能というエビデンスが得られてきました。5つの特性とは、「外向性」「協調性」「勤勉性」「神経症傾向」「開放性」のことであり、それぞれ高くても低くても、良い面も悪い面もあわせもつものであると言われています。なお、「外向性」と「開放性」は、言葉から受ける印象が一見近いようにも思えるが、「外向性」は社交的、話し好き、強い刺激を求めるといった特性を示すものであるのに対し、「開放性」は、対人関係でオープンなことを意味するものではなく、好奇心や自由な発想をもつ特性を示すものである。

 テレワークという働き方から充足感を得られるか否かも、個々のパーソナリティによって異なってくる。テレワークで特記すべき変化は、オフィスで密にコミュニケーションをとりながら仕事を進めるスタイルから、自宅等で各自仕事を進める形への転換です。こうした環境変化の中、例えば、同僚等との密接な関わりから充実感や働きがいを得る人の場合、仕事による満足感を得られにくくなる可能性があります。逆に、ひとりで業務をこなすことを好む人や、対人ストレスを感じやすい人の場合、テレワークが心理的なメリットをもたらす可能性があります。また、新しい働き方への適応性が高い人では、新たな形で仕事の意味を発見できる場合もあります。このように、テレワークによって仕事の意味(非金銭的報酬)を得られるか否かは、個人の性格による違いが大きいものと考えられます。

パーソナリティ特性の仕事満足度への効果─テレワーク実施有無による違い

 まず、「外向性」について、テレワーク以外の場合は「外向性」が高いほど仕事満足度が高くなりやすいが、テレワークにおいては、「外向性」は満足度に関わらないと考えられました。つまり、他者と一緒にいることを好む「外向性」(社交的、話し好き)という性格は、オフィスで密にコミュニケーションをとりながら仕事を進める状況下では仕事満足度を高めるが、テレワークではそうではないと言えます。
 次に、「協調性」については、テレワークの場合に、満足度を引き下げる方向に作用する。親密な対人関係を指向する「協調性」というパーソナリティは、業務分担の明確化等でチームワーク的要素が少なくなるテレワークにおいては、心理的に報われにくいことを示唆します。
 最後に、「開放性」が高い個人ほどテレワークで高い満足を得られやすいことが示されている。この結果は、新しい就業環境の受容性の高さによると解釈できるが、テレワーク環境下で、好奇心や自由な発想から、新しい仕事の意味の発見につながっている可能性も考えられます。
 さらには、テレワークの仕事満足度に与える効果は、パーソナリティ特性による部分が大きく、個人の性格を無視しては、テレワークの満足度に与える効果を正確に測れないことがうかがえました。

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