1歳半でもしゃべれない⁉次は様子見、それとも療育か病院受診か⁉
お子さんが1歳半を過ぎてもしゃべらない⁉と家族は「このままではしゃべれないのでは⁉」と気にされると思います。そんな時、お子さんにどんな様子が見られれば「様子見でいいのか⁉」「療育に通わせたほうがいいのか⁉」「病院受診した方がいいのか⁉」の判断についてお伝えしていきます。
しゃべれない⁉3つのタイプとは
1歳半を過ぎても何も言葉らしいものをしゃべらないと、親としてはしゃべれるようになるのかどうか、とても気になってきます。言葉の遅れの原因は、大きく分けると3つ考えられます。
一つ目は、言われていることはなんでもわかっていて、しゃべることだけが遅れている場合です。 この場合、言葉で言われたことに従って行動することができます。例えば、「おとうさんに、新聞もって行って」というと、父親に新聞を届けることができたり、「おかあさん、どこにいるの?」と尋ねると、母親のいる方を指差したりします。また、自分の要求を身振りで表して伝えようとしたり、聞かれたことにうなずいたり、首を振ったりして意思表示します。
最初のうちは親もそのうちしゃべるようになるだろう!?と楽観していますが、いよいよ3歳近くなると心配になってきます。3歳を過ぎたころから、ボツボツ単語や単語の一部がしゃべれるようになり、日に日に語数が増え、言葉の種類も身の回りのものの名前だけではなく、赤、青などの色、熱い、寒い、大きい、小さいといった形容詞、欲しい、眠いなどの動詞も同時に出現してきます。短期間のうちに語数がふえ、「ママ、こっち」「ジュースほしい」といった二語文が出現してきます。そして、一気に会話らしいやりとりになっていきます。自分の知っている言葉で何とか人に伝えようと言う様子がみられ、大人が察して尋ねてやると、次の時には大人が表現した言葉を使って上手に話ができるようになっていきます。こういった言葉の発達をする子どもを、言語発達遅滞と呼んでいます。
言語発達遅延の子どもたちの中には、発音の障害が見られたり、手先が不器用なことも合わせて見られたりすることがありますが、殆どの子どもでは、就学前に問題はなくなります。十分に言葉の理解が出来ているようであれば、無理に言葉を発するように強要したりせずに、意味不明な言葉であっても耳を傾けて、意味を汲み取って理解してやるようにする事が大切です。
二つ目はのタイプとしては、言語の理解が遅れていて発語が遅い場合です。運動発達から既に遅れていることもあり、運動は全く発達に遅れのない場合もあります。運動には遅れがなくても、手先の操作は不器用なことが多く、排泄などの生活習慣にも遅れが多く見られます。周囲への興味や関心も他児に比べて薄い事も多く、刺激に対する反応も鈍い傾向にあります。
こういう子どもは、言葉その物の訓練というより、身体を動かしたり、身の回りの事が自分で出来るように促したり、色々な遊びや、他の子どもたちからの働きかけなどから刺激を受け、言葉以外の発達が伸びてくるのに伴っ
て言葉も出てくる事が多いようです。
三つ目は、運動発達の遅れはない場合と伴う場合とがあります。動きには遅れがないのに、こちらが言っている事に反応がなかったり、気まぐれで一方的に要求だけしてきたり、周りに関心を示さず一人遊びにふけっていたり、といったように、何を考えているかよくわからず、コミュニケーションのとりずらさがあります。
こういう子どもたちは他人に対して何かを伝えたいとか、人が何を考えているか知りたいといった欲求が少ないため、言葉があまり必要とならず、言葉に遅れが出ると考えられています。たとえ、言葉がしゃべれるようになったとしても、コミュニケーションの手段として使えないので、感情がこもらない単調なしゃべり方だったり、一方的で会話にならなかったりします。オウム返し的になるのもそのためです。また、これらの子どもたちは、興味の偏りや、感覚の過敏を示すことが多いのも特徴的です。
こういう子どもたちには、いわゆる言葉の訓練というよりも、コミュニケーションを育てることを目的にしたアプローチが必要になります。母親と一緒に体を動かしたり、手遊びをしたり、何かを共有して楽しむことで、相手の存在に気づき、気持ちを伝え合ったりできる関係に育てていく療育機関が必要になります。特に、全体の発達が遅れている子どもの中で、コミュニケーションの問題を合わせもっている場合、全体の発達を促しつつ、愛着関係も視野にいれて療育していくことが大切になってきます。
これら3つの原因のほかにも、言葉の遅れの原因として見逃されないようにしなければならないのは、「難聴」です。言葉の発達には、臨界期があるといわれており、難聴は1歳までには発見したいものです。しかし、全体の発達の遅れやコミュニケーションの障害を合併すると見逃されがちです。言葉の遅れがあれば、聞こえていると思われても聴力については検査が必要です。
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