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大阪のグルメ
年末年始のお休みをいただき、地元大阪に帰省しています。
大阪に戻るたびに感じるのは、「美味しいものが安い」ということ。
もちろん、東京でも美味しいものはたくさんありますが、どうしてもお値段が張ることが多いんですよね。
それに比べて大阪は、気軽に手が届く価格で絶品の味に出会えることが多く、本当に幸せな気持ちになります。
美味しいものを食べると、人生がぐっと豊かになると感じます。
私も未だに、10年以上前に食べた「あの時のあれ、美味しかったなぁ」と思い出に浸ることがあるほど。
そんな美味しいものに囲まれた大阪で過ごしていると、自然と今のひとぱん工房をオープンさせた原点を思い出します。
大阪は、安くて美味しいものがたくさんある街。
そんな環境で育った私は、いろんなジャンルの食文化に触れることができ、食を通じて豊かな経験を積むことができました。
でも、正直に言うと、実は私はパンよりも白いご飯派なんです(笑)
熱々の白米に漬物さえあれば、それだけでお茶碗3杯は軽くいけます!
では、なぜご飯好きの私がパン屋を始めたのか。
理由は二つあります。
一つ目は、パン食がどんどん広がってきて、今や毎日の食卓に欠かせない存在になったこと。
そして二つ目は、パンの主原料である「小麦」との出会いです。
21歳の頃、初めて国産小麦で作られたパンを口にしたときの感動を、今でも鮮明に覚えています。
「美味しい…これなら何個でも食べられる!」と思いました。
そのとき、「私もこんなパンを作ってみたい」と心に決めたのが、すべての始まりでした。
その後、パン作りに興味を持ち、学びを深めていく中で、小麦の産地や輸送時の品質保持方法、さらには土壌の違いがパンの味や私たちの体にどれだけ影響を与えるのかを知りました。
毎日口にするパンだからこそ、日本で育てられた小麦を使いたい。
そして、安心して毎日の食卓に並ぶものを届けたいという想いが、次第に私の中で大きくなっていきました。
加えて、「日本で生まれたものを大切に消費したい」という気持ちも、私の心に根付いていきました。
国産小麦はどうしても外国産小麦よりも原価が高くなってしまいます。
そのため、国産小麦を100%使ったパンは販売価格も高くなりがちで、毎日の食卓に気軽に並べてもらうには難しい現実がありました。
だからこそ私は、何度も何度も原価計算をし、パン作りに必要最低限の材料だけを使う方法にたどり着きました。
シンプルだからこそ、素材の良さが際立つパンになる。
それが、国産小麦100%を実現しながら手頃な価格を目指す私なりに行き着いた答えでした。
大阪での美味しいものとの再会や懐かしい思い出に触れるたび、改めて「食」が人生を彩る力を持っていることを実感します。
ひとぱん工房のパンもそんな存在でありたい。
毎日の暮らしの中で、ほっと幸せを感じられるパンを届けられるよう、これからも心を込めて作っていきます。
2025年も、また皆さんと笑顔でお会いできることを楽しみにしています。
新しい年もどうぞよろしくお願いいたします!