写真集を初めて手にした人間の挙動
ずっと私には縁のないものだと思っていました。
書店に足を運ぶ機会は幾度とあっても、やはり立ち寄らない一角は存在していて、私にとってそれが『写真集』のコーナー。
理由は明確で、どこをどうみていいのかわからなかったから。
そんな私が先日、初めてモーニング娘。'23に所属する小田さくらさんの写真集『さくら日和』を読むこととなりました。
今回はその感想録です。
自分にとって写真集って?
撮った写真を集めて本にしたもの。
うん。それはわかっている。わかっているんだ。
私にとっての問題は「じゃあ読む目的はどこへ?」という所にありました。
私自身は人並みか、それよりかは本というものと接してきた人間だと思っているのですが、そのジャンルは小説、詩集、漫画、図鑑、辞書。このあたりです。
小説
→フィクションの世界に没入し、ストーリーから自分もその追体験をしている気分を味わう。人の記憶を覗き見るような娯楽。
詩集
→言葉のリズムや作者の見ている世界を楽しむ。
漫画
→客観的な視点に立ち、登場人物の成長や葛藤の様子を応援する。
図鑑
→興味のある事柄について広くざっくりとした知識を得ることができるもの。
辞書
→最高の暇つぶし。わからない語を調べるツール。
と、このような感じで種類も違えば期待する自分へ与える効果も異なります。
そんなところに新たに加わった『写真集』というものに、私は何を期待してページを開かんとするのか。そこが定まっていなかったのです。
「いやいや、アイドルの子を好きになったんでしょ?じゃあ、かわいいその子を見られるってことじゃん!」
まあ、そうなのですが。そうじゃない。
手にしておいて、そしていただいたものを前にして忍びないのですが、私は小田さくらさんの容姿やスタイルだけを鑑賞したいわけではないのです。
存在を認識したのも、好きだなと自覚できたのもつい最近の出来事。そもそも小田さん(というよりかは他人)の容姿に対しての興味は薄く、今の私が小田さんから得たいなと思っているのは物事の捉え方や考え方、歌やダンス魅せ方などのパフォーマンスでの表現力になるので、それは写真集にはおそらくないものでしょう。
アイドルとして1番輝くであろうコンサート衣装を着られたお写真というものは既にグッズとして数多く販売されており、その映像もBlu-rayやDVDとして残されています。私が期待を寄せるものはこちらを観る方がより得られるものが多そうです。
これが「撮影地、衣装セルフプロデュースです!」とかなら話は変わってくるのですが、そうでもない。
ひとのこは腕を組み唸りました。
誰か1人の人間だけを撮った一冊の本を読んだことなんて初めてだし…………あっ!
この時気づくのです、実はすでに私にはその経験があったことを。
「アルバムだ!」
推しのアルバムは見たい
祖父母の家には幼少期のひとのこの写真をまとめたアルバムが数冊残っています。運動会や、どこかへ旅行に行った写真が成長記録として棚に収められていて、記憶にもない幼い頃の写真に祖父の文字で一言添えてあったりします。
私には娘も姪も存在したことがありませんが、もしいたとしたら写真めっちゃ撮る。そりゃこの瞬間生きている奇跡と勇姿と可愛いを感じながらシャッターを切りまくっていると思う(こんな狂気を幼い子に見せる事がなくてよかった)。
四季折々の。
おめかしした。
日常を切り取って。
思い出と共に残るような。
仮に成長を見守りたくなるような生き物が自分にいたら、ひとのこのiPhoneのロック画面は購入時からデフォルトのまま放置されず、週替わりでそんなベストショットを更新しているはず。
あ、いた。
そうだ、私は小田さくらさんの成長を見たい。
なんだ、こんな簡単な話だったのか!
これまで容姿だけを消費したり、それだけでその人物を見ることに忌避感を抱いていた私。しかし、だからといって全く目を背けるものでもないよなと実感しました。
心と技術の熟達ばかりに目が向きがちだったのが、この気づきから心技体すべての成長の過程を見守りたいなと考えが変わりました。
だってアイドルですもんね!
かわいくなる努力や、その成果だって楽しめたらこんなにも喜ばしいことはありません!
これで全ての準備が整いました。
早速読んでいきましょう。
感想
かわいい!きれい!すてき!
まとめ
小田さくらさんの写真集は5作目となるようなので、他のものもいずれ拝読できたらなと思います。
以上これにて。
素敵な作品をありがとうございました!