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フランスのいじめ対策「あなたに責任はない。私たちはあなたのそばにいる」(我が子がいじめ被害にあって思うこと)
こんにちは、HitoniYoriです。
うちは子どもが二人ともいじめ被害により不登校になった経験があります。
私は本気でこの世からいじめが無くなって欲しいと願っています。
いじめ被害の悲惨さは当事者(とその家族)にしか分かりません。
今回はいじめ対策の紹介として……フランスを調べました。
フランスはみなさん、ある程度お詳しいと思いますので、デンマークのnoteの時のように地図を掲載したり、イメージ画像を載せたりはしません。
では、フランスのいじめ対策について紹介をしていきます。
フランスのいじめの状況はひどい?
フランスの国民教育省(たぶん、日本で言う文部科学省のようなところです)によると毎年約10人に1人の生徒がいじめに遭っているそうです。
10人に1人というと10%の人がいじめ被害にあっているということです。
上記は学校で確認されているだけでも、これだけの数がいるという値です。実際はもっといるのでしょう。
いじめ対策に成功しつつあるデンマークの6~9%と比べると多い数字となります。
(デンマークは月に数回いじめを受けた割合です。パーセントの出し方も調査の仕方も違うと思いますので、実際はもっと差があるとは思います)
フランスでは2022年3月と2023年9月に法改正を実施
この法律を正確には「学校いじめ罪」(法律第2022-299号)と言うようです。
私は法律に「いじめ」と冠した名前を付ける。これは重要なことと思います。日本はいじめが犯罪という意識が少ない というか、いじめを子どものケンカの延長線上だと思っている節があります。
我が子がひどい目にあった私は思います。
いじめはれっきとした犯罪です。それも自分(加害児童)の楽しみの為に、人(被害児童)の人生を狂わせる凶悪犯罪です。
フランスの2022年3月の法改正では、いじめなどで嫌がらせを受けた被害者が自殺や自殺未遂をした場合、加害者に最高懲役10年、罰金15万ユーロ(約2,470万円)が科せられるようになりました。フランスではいじめはれっきとした犯罪行為として認められるようになったという訳です。
自殺や自殺未遂をしなかった場合でも、被害児童に8日間以下の完全な就学不能を引き起こした場合は3年以下の懲役、4万5,000ユーロの罰金です。
日本とは大違いです。
そして、2023年9月には、学校の校長の権限で加害者を転校させられる法律も成立しました。
なぜ、法改正することになったか?
では、なぜフランスでは法律を改正することになったのでしょう?
フランスも以前は、「加害者も未成年者である為、罪に問うことが正しくない」という日本と似たような風潮があったようです。
では、なぜ?
ネットいじめがエスカレートして自殺者が出るまでに発展したこと、いじめを苦に自殺する生徒が相次いだことによって法改正の流れになったようです。
フランスのボルヌ首相は会見でいじめを理由に自ら命を絶った5人の名前を呼び、「すべては私たちの責任だ」とおっしゃったそうです。
その上で、今いじめ被害にあっている子どもたちに向けてメッセージを送っりました。
「あなたに責任はない。私たちはあなたのそばにいる」と。
今、いじめで苦しんでいる被害児童にとってどれだけ心強かったことか。
実際に学校の授業中に逮捕されたいじめ加害児童もいる
法改正されたのが、2022年3月です。
嫌な言い方ですが、法改正ぐらいならどうとでもなります。実際に日本でも2013年にいじめ対策推進法が施行されました。
上記(いじめ対策推進法)は、かなりいじめ被害者に寄り添った内容です。しかし、日本のいじめの現状は変わったでしょうか?
確かに第三者委員会は発足されるようになりました。2013年より前には第三者委員会すらなかったのですから。
しかし、第三者委員会からの提言が出ていじめの現状は変わったでしょうか?
……
しかし、個人を重んじる国、フランスは違います。
2023年9月に学校の授業中に加害児童が逮捕されるという事態が起きました。
いじめ加害者はトランスジェンダーの同級生をいじめていたそうです。
マクロン政権報道官はこう語ったそうです。
「いじめの加害者に強いメッセージを送るためだ」
この、「放課後に逮捕をするでも良かったことを授業中に逮捕する」という事態は賛否両論だったようです。
しかし、私は「法律を作っただけで何も変わらない」よりはずっとマシなことだと思っています。
加害児童はそれだけのことをしたのです。それまでもフランス国内で何人もいじめ被害で自死した子どもがいるのですよ。
加害児童の心に傷を残すかもしれないと躊躇していたら、もしかしたらトランスジェンダーの被害児童の自死を招いていたかもしれないのです。
それが数分の違いなだけだったのかもしれないのです。
「加害児童にも人権がある。授業中に逮捕されてしまって加害児童の心に傷が残ったらどうする」という人がいるかもしれませんが、それで、その数分後に被害児童が自死をしたら、加害児童を庇った人は被害児童の親にどう説明をするつもりでしょうか?
法改正だけではない
フランスで行われたいじめ対策は法改正だけではありません。
いじめ対策(ハラスメントおよびサイバーハランスメント防止)のプログラム(pHARe)も初等・中等教育・高等教育に拡大させているそうです。
※すみません。まだこのpHAReについてはよく読み込んでません。
特質すべきは教職員が、教育実習時からいじめと戦う訓練を受けることが義務付けられ、その研修内容も専門機関が構築するとのことです。いじめ特化です。
いじめを3段階のレベルに分け、初期段階の第1段階で和解解決すれば良いが、第2となり第3段階になれば校長の権限で加害児童を転校させることが出来るとのことです。段階を踏まえるところが素晴らしいと思います。
ネット暴力のコールセンターを設置
2021年にはネット暴力に関する問題を受け付ける全国相談窓口が設置されたそうです。
ネットのいじめは大人が発見するのが難しく、特異性がありますので、これも素晴らしいことだと思います。
2022年には2万5,000件の電話とメッセージ相談があったとのこと。
そのうち、実に半数以上(52%)がネットいじめに関するもので、電話の4分の1は15歳未満の未成年者からだったそうです。
フランスは着々といじめ防止に取り組んでいます。
このnoteが日本のいじめ防止対策に役立つことを願っています。
【参考サイト】
■日本と大違い…フランスで「いじめ」が犯罪行為とみなされる「納得の理由」
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc9fec55fe9d128e971518258a7a472702b8e870
■フランス、いじめ厳罰化「加害者を転校させる」背景https://toyokeizai.net/articles/-/699347
■【フランス】学校のいじめと闘うための法律https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_12251709_po_02910205.pdf?contentNo=1
■フランスの中学校で「いじめ加害者」を授業中に逮捕…「日本も見習うべき」SNSでは賛同が圧倒的
https://news.yahoo.co.jp/articles/810ce481487025a8e78d8cfba86cefb6f256c29d
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