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モダンキーパー小島亨介:2022 J2 第36節 ヴァンフォーレ甲府×アルビレックス新潟
甲府のサッカーに負ける要素は無いな、と思いながら見ていた試合だったが終わってみれば小島神な試合。吉田達磨監督のチームにだけは負けたくないというのは個人的な感情。
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— アルビレックス新潟 (@albirex_pr) September 14, 2022
立ちはだかるは新潟の守護神🛡️
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甲府に主導権を握られシュートを放たれるも #小島亨介 選手がピンチを防ぐ🧤
1失点は喫したもののビッグセーブを連発して勝利を手繰り寄せた👏
手に汗握る熱戦を #DAZN で🤳https://t.co/TXEcE7LIeu#albirex #アルビレックス新潟 pic.twitter.com/3v00Q46PZA
そんな小島神のプレイ解説となる。
モダンサッカーを体現するゴールキーパー
新潟サポーターにとっては当たり前すぎて小島の解説など読む必要は無いと思うが、小島はポジショナルプレーとも呼ばれるモダンサッカーを体現するキーパーである。ボールを愛する新潟のポゼッションサッカーに欠かせないキーパーである。
モダンサッカーを体現するキーパーとはなんぞや?という話になるが、キーパー兼フィールドプレイヤーと言えばイメージが付きやすい。
モダンサッカーのキーパーはペナルティーエリアの外、最終ラインと同じくらいの場所でボールを保持することは当たり前だし、ビルドアップ要員の一人としても振る舞う。このプレイを遂行するためにはフィールドプレイヤーと同じレベルの足下の技術が必要になってくるが、小島は漏れなく必要十分なスキルを持っている。
モダンサッカーを体現するキーパーにとって足下の技術は正確なトラップやショートパスだけではなく、最前線に飛ばす低くて速くて正確なロングフィードも蹴れなくてはいけない。さらに、ビルドアップ時において蹴るのか投げるのか、どこにボールを配球するのかということを瞬時に判断して最適解を弾き出す判断も求められる。
当然、キーパーとしての本来業務であるシュートストップは当たり前の事項として対応しなければならない。とにかく求められるスペックが多彩かつ深いというスペシャルなものを求められるのがモダンサッカーのキーパーである。
昨シーズンまでの小島、シュートストップやハイボール処理に課題が多くあったことに加え怪我も重なり出場機会を減らしていたが、今シーズンはそれらの課題を全て解消して絶対的な信頼と実績を積み重ねている。毎試合ベンチとロッカールームで爆音鳴らす阿部。常時バフ要員の阿部。
阿部も藤田も十分なスペックを持っているが小島神には及ばない現状が新潟の今シーズンの強さでもある。藤田は来シーズン大きくなって帰郷してほしい。阿部はピッチ上でバフ呪文唱えられるように頑張れ。
それでは細かいデータを見ていこう。
ボールタッチ
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ビルドアップにおいて前にボールが運べなそうなら後ろに戻してやり直しというのは新潟のスタイルになるが、その戻し先が小島となる。
小島がボールを持つことにより相手よりも多くボールに関与できるのでパスコースが必然的に増え、結果としてボールを前に運べるようになる。フィールドプレイヤーとして機能するゴールキーパーである。
押し込んでいる時には自陣中央まで上がってボールを受けたりするが、これが本当に違和感なくスムーズにこなすのが小島を含めた新潟のビルドアップである。分布だけ見たら狂気のゴールキーパーである。
配球
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緑は成功で赤は失敗。実線がキックで波線はスロー。
基本的にはバックパスを受けて捌いてを繰り返す小島だが、チャンスと判断すれば左右中央にフィードを蹴り込んで攻撃のトリガーを引く役割も担う。
中距離や長距離のフィードは自らジリジリとボールを前に運んでギリギリまで前線守備を引きつけてから出すという特徴がある。
これは足下の技術に自信が無いとできないプレイ。こういったシーンで小島がロストすることはあり得ないという安心感を持っている全新潟。
この小島の個人戦術により、相手の守備ラインを間延びさせたり強制的に上げさせたりすることができる。上がったライン裏にはスペースが生まれるので、そこへ目掛けて低弾道フィードを蹴り込むという流れになる。
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配球のセオリーも忠実に守っていて、ゾーン1への配球を基本としてサイドがフリーならゾーン3を積極的に狙う。この試合では前節よりも調子を上げた泰基のいる左ゾーン3への配球が光っていた。もしかしたら左利きの泰基が受けやすいように横パスでの受け渡しとかやってるのかもしれない。
試合終盤など、相手が前掛りになれば最優ライン裏のゾーン5へ低弾道フィードを蹴ってカウンターを当てたりもするし、ゾーン4で高木や伊藤がフリーになればピンポイントでゾーン4に落として即ターンを決めてもらう。
このうように、定跡を定跡どおりにハイクオリティに配球できるのが小島である。あまりにも簡単にやってしまうのでスキルの高さを実感しにくいが、ここまでミスなく配球できるのは圧巻のパフォーマンスである。
シュートストップ
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この試合の目玉となったシュートストップ。甲府もリラも「なんでやねん!」と頭を抱えていると思う。
見せたことのない433という奇襲を用いた吉田達磨監督だったが、結果的にはリラの単騎というサッカーに負けなかったことは本当に良かったし、それもこれも全て小島神のおかげである。
小島はゴールだけではなく新潟のアイデンティティも守ってくれた。ポジショニングもワンステップでセーブできる基本に忠実なもの。
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失点シーン、そういう意味では前に出過ぎたということなのかもしれないが、まぁ普通に無理なやつなのでしょうがない。それ以前にオフサイドのような気がするし。
昇格まであと4勝のカウントダウン、残り試合も小島で走り続けると思うので最後までアルビレックス新潟のサッカーを貫いてもらいましょう!
LINEオープンチャット「アルビレックス戦術アナライズ」でアルビレックス新潟のリアルタイム試合解説をやっています。気軽な参加お待ちしております。#albirex #アルビレックス新潟https://t.co/TL8ZXYTjWf pic.twitter.com/dwrzCRLWtk
— hitoshi (@hitoniph) February 19, 2022
オープンチャットでのリアルタイム解説
前半終了時
新潟はスタメン大幅入れ替え、甲府は見慣れない433と意外と意外の試合ですが小見のゴールはビックリでした。なんであれを決められてフリーのゴールを外すんでしょうか。
序盤の甲府は433プレスと235の攻撃で新潟を圧倒的に押し込みますが一発に沈みました。
その後、23分以降はプレスに走れなくなりズルズルと下がってただの433ブロックになりましたし、30分以降はグダグダで守備陣形もビルドアップも形を成していない状態でした。
新潟が自陣でセカンドボールがほとんど拾えないという状況で攻撃の時間が多かった甲府ですが、新潟先制ゴール後は一体何をやりたいのかわからないチームになっていました。ハーフタイムでどうやって修正してくるでしょうか。
新潟でピックアップするのは小見とタイキでしょう。2人とも課題と向き合った結果が見えています。
小見はプレスのトリガーが明確になって出足が速くなっていますし、ブロック時にボール通されて後ろから追いかけるということがなくなりました。後ろから追いかける場面ではキッチリボールの前に立ってブロックやり直しという対応になっています。
タイキはボールを持った時のファーストチョイスが前方向へのドリブルという意思を感じますし内側レーンへの移動も前節よりも多いです。
伊藤秋山はもう完全にキングなので今更コメントはありませんが本当に素晴らしいですね。ゲデスも守備意識と対応が良くなっています。
後半、甲府が修正できないようならこのまま終わるはずですので油断せずにキッチリとクロージングまで持っていってほしいです。
試合終了時
小島神な感じではありますがキッチリ勝ちました。三戸のトップスピードでのボールコントロールは惚れ惚れしますね。
甲府はどうして奇策で挑んだのでしょうか。最初から3421でやっていれば新潟のメンバーもありましたので違う結果もあったのではないかと思います。途中442ブロックを敷いたりと意図がわからない甲府でした。
新潟はメンバー大幅入れ替えでクオリティは落ちるもののスタイルそのままで勝てるのは凄いですね。小見とタイキも確かな経験値を多く獲得してチームとしては大満足の試合でしょう。
フリエ岡山両方とも負けたので圧倒的首位です。いよいよ昇格だけではなく優勝も見えてきました。
残り試合、一戦一戦確実に戦ってくれるでしょう。
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