![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79951880/rectangle_large_type_2_1e8c2156e288cab07d4529f41334a293.png?width=1200)
星雄次のスルスルポジショニング:2022 J2 第19節 アルビレックス新潟×モンテディオ山形
3戦連続3-0での勝利で絶好調な俺たちの新潟で攻撃力半端ない。
そんな攻撃力の増幅装置であるボランチとしての星雄次のプレーについて解説してみよう。
複数ポジションをこなせるポリバレント
入団当初の公式発表ポジションはサイドバックだったが、今シーズンはボランチでの起用が続いている。
昨シーズンまではサイドバックやサイドハーフとしての稼働が多かったが、プレースタイルからしてインサイドハーフが適正ポジションではないかという印象があった。影を潜めるサイドバックの要素。
とはいえ与えられたポジションでタスクを当たり前にこなす選手で、派手で尖ったプレーは無いものの全てが及第点以上というのが昨シーズンまでの星の印象だった。潤滑剤としては最高の働きをする選手という感じ。
今シーズンも序盤出番は少なかったが、スクランブルな状況で先発した町田戦以降4試合はスタメンに名を連ねている。
町田戦はイレギュラーな条件の試合だったので考慮から外すとしても、後の3試合は新潟のサッカーを体現するボランチとしてハイパフォーマンスを出し続けているので、そんなボランチ星雄次のスペシャリティについて紐解いてみる。
サイド攻撃のジョイント役
新潟のサッカーの特徴はなんと言ってもビルドアップ。そのビルドアップを支える陣形はピッチ状にトライアングルを多数作って局所的に数的優位を発生させるものとなる。
新潟がこのビルドアップをする際、序盤先発の多かった島田を始め秋山や吉田陣平などは、中央低い位置にポジショニングする高(ヤン)を基準にしてヤンの隣にポジショニングすることでヤンへボールを出せないのならば島田へ、というような組み立てをする。
この新潟の原理原則とは少々違うポジショニングをするのが星であり、結果としてビルドアップのベクトルをより前方へ向けることができるようになっている。
星の場合、ヤンを基準にしたポジショニングするのではなくサイドバック&サイドハーフとトライアングルを形成できるようにポジショニングを行う。
基準がヤンではなく、サイドバック&サイドハーフを基準とするのが星を組み込んだ新潟ビルドアップの特徴となる。
![](https://assets.st-note.com/img/1654307447154-YMYh9qsRUG.png?width=1200)
このようなビルドアップをすることで中央にボールを置いて守備ブロックを中に寄せてからサイドに展開というアクションを挟まずともサイド攻撃が展開可能になる。皆さんご存じのとおり新潟のサイドは超ストロングである。
この形を状況に応じて左右両サイドで行うのが星のビルドアップである。
インサイドハーフのタスクを担うボランチ
星のもう一つの特徴がインサイドハーフとしての役割になる。SNSなどで新潟サポーターが「前線に顔を出す」と表現するプレイはこれになる。
前述のサイドでのトライアングル・ビルドアップでミドルサードを超えたら星はスルスルと相手最終ラインまで上がって前線に厚みを出すポジショニングをする。
この形にトランスフォームした新潟は一時的にヤンをアンカーとした4123の布陣となり攻撃の圧力を高め、フィニッシュまで押し切る準備を整えることが可能となる。
![](https://assets.st-note.com/img/1654310000364-nwHRvrUONO.png?width=1200)
星のスタートポジションが初めからインサイドハーフだと守備をヤンのパフォーマンスに委ねてしまうことになってしまうが、星のスタートポジションをボランチにしておいてスポットでインサイドハーフの振る舞いとすれば守備も比較的安定する。
このスポット式4123へトランスフォームするスルスルポジション移動のタイミングとスピードが抜群に上手いのが星である。偽ボランチと呼んでいいかもしれない。
このプレイについてはチーム戦術というよりもインサイドハーフへの適正が高い星ならではの感覚ではないだろうか。当然ボールを奪われた後のネガティブ・トランジション発生時には全力で守備ポジションに戻る星である。
スルスルポジション移動はフィニッシュ時にも発揮され、クロスが上がりそうならスルスルボックスイン、スルーパスが出そうならスルスル抜け出しなどを行ってゴールを狙うし、スルスルポジショニングで相手最終ラインをピン留めしたりもする。この試合の2点目などは星のポジショニングで相手守備をピン留めできていた結果という見方もできる。
1️⃣万9️⃣千人のビッグスワン🦢にオレンジが閃く✨
— アルビレックス新潟 (@albirex_pr) May 29, 2022
ゆったりとしたパス回しから一転 #本間至恩 選手が #鈴木孝司 選手のポストから急加速💨
DFが寄せる前に右足を振り抜いてゴール‼️満員のNスタンド前でセレブレーション😍
ナイスゲーム👏を #DAZN でもう一度🤳https://t.co/TXEcE7tz0m#albirex pic.twitter.com/Lqi1cWOAb3
開幕当初に披露された高木伊藤をインサイドハーフに置いた4123なら常時火力は出せるがビルドアップのバリエーションが伊藤落ち式に制限されるし、何よりも守備に不安が付き纏ってしまう。
星ならこの問題を解決できる!という結果が出ているのが現時点の評価で、チーム全体を5段ギアの4段で常時運転させることができるというのが星の特徴となる。4段じゃ火力が足りない場合には攻撃的な交代で5段に入れることができる新潟のベンチでもある。
忍者っぽい星のプレイに派手さは無いが、星のスルスルポジショニングに着目して試合を観ると違った試合観戦が出来るかもしれません。
チーム戦術も個人戦術も楽しい新潟のサッカーですね。
LINEオープンチャット「アルビレックス戦術アナライズ」でアルビレックス新潟のリアルタイム試合解説をやっています。気軽な参加お待ちしております。#albirex #アルビレックス新潟https://t.co/TL8ZXYTjWf pic.twitter.com/dwrzCRLWtk
— hitoshi (@hitoniph) February 19, 2022
いいなと思ったら応援しよう!
![hitoshi](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/132608918/profile_85fb3cb86c8ff3d8eed5e957571c5a7b.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)