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躁鬱が我が家に愛を運んできた話
私、躁鬱傾向あり
私は長年気分のアップダウンに悩み続け、社会人になりそれが顕著になりました。
特に最近、気分の波が苦しく、コントロールできなくなってきたのを実感し、日常生活がままならないことに悩んでいました。そこで、父親が通う病院を紹介してもらい、診てもらったところ、躁鬱傾向があるという風に言われ、継続的に服薬治療を続けることになりました。
はっきりと病気だって言われたわけでもないし、
服薬していれば必ず良くなるから安心してね、と言ってもらえたので、今は前向きな気持ちです。
父親、躁鬱病歴あり
私の家系は、父方の祖母も父親も躁鬱で、祖母は20年くらい前に亡くなりましたが、かなり症状が酷かったそうです。
父親は今も通院しながらですが、とても元気に過ごしています。
無口だった父が、明るくて陽気に。
10年前の今頃、ずっと表情が固く家ではほとんど話さない大人しかった父親が突然、陽気になりました。
何をしても楽しいんだって母や家族、会社の人に話していました。家族旅行を沢山計画してくれるし、出掛けるたびに美味しい手土産を大量に買ってきたり、大声で歌ったり。母や友人に出先で電話したりもしてたかな。
明るくて、喋り出したら止まらなくて、ニコニコしている父親のことが、子供目線では可笑しくて楽しくて、違和感がありつつも大好きになりました。
それまでの父が重い鬱病だったことは、母親から聞いていたので、なんとなくは理解していました。なので明るくなった父親を見て、「パパは鬱病がよくなったんだな、本当は明るい人だったんだな」
と、呑気に考えていました。
私には何の知識もなかったんです。
ですが、父のこの状態は危険だと母が言いました。「これは躁鬱病って言って、鬱と真反対でテンションがあがっちゃう状態。お金使いも荒いし、ぶっ飛んだ行動もしちゃうし、社会的信頼を失っちゃうかもしれない。」
そして何が怖いかというと、自ら命を落としてしまう人の多くが躁状態だったりするそうです。
父の病状は会社でも危惧されており、産業医から病院を紹介されました。
鬱の時は頑なに受診を拒んだ父が、「行ってみようかな♪」ってノリノリだったそうで、母と2人で通院をしたそうです。
そこで父は躁鬱(正確に言えば双極性障害)と診断され、このまま放っておくと次鬱の波が来たらかなり深刻だからその前に治療しましょうと言われ、休職をしました。
愛犬との出会い
それが、ちょうど10年前の4月のことだったと思います。
学校から帰ると毎日父がいました。社畜で毎日遅くに帰ってきた父がいるということが不思議でしたし、じっとしてられないのか、ちょこまかちょこまか動き回ってて、面白かったことはすごく覚えてます。
笑ってはいけないのですが、大きい小動物のようでした。
私はそんな父を見て、犬を飼えばいいのでは?と思いました。
当時父はお金使いが荒かったこと。仕事がなくて暇そうだったこと(仕事人間だったのできっとそれが苦痛だったはず)。ペットが精神疾患の治療にかなり効果があること。
これら全て踏まえて、ガツンと犬を飼うという決断をしたら、あらゆることがうまくいくのでは?と14歳の私は家族にプレゼンしました。
まあ色んな理由をつけてみたけど、シンプルに私が犬を飼いたかっただけですけどね。笑
そして元気いっぱいの父を連れてペットショップに行き、小さくて臆病なトイプードルに親子共々一目惚れをし、お迎えすることになりました。
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それはもう天使、そのもの👼🏻
父も、休職期間が一段と楽しくなったみたいだし、私も家に早く帰りたくなるほど毎日楽しくなりました。
動物が苦手だった母と兄も愛犬の天使ぶりに夢中になっていました。
父のお金使いの荒さもマシになったし、
躁状態もかなり落ち着いてきました。
お医者さんからも、精神疾患の治療にペットを飼うことはすごく良いと言ってくれたみたいです。
このような経緯から、我が家に愛おしくて可愛くてたまらない天使が舞い降りて、それから10年間私たちを癒やし続けてくれました。
10年後、今の私。
そして10年後、今度は娘である私が躁鬱の治療をすることになりました。
私は父に比べたらかなり軽度で、お金もそんなに使わないし、話しすぎることもないし、明らかなハイテンションみたいなのはありませんでした。
強いていうならば、新しい環境が大好きで、ワクワクし、その時は何でも人生うまくいくんじゃないかなってくらいポジティブになります。
新しいことをどんどん始めたくなります。
でもそれが続かなくて、そこに落ち込んで抑うつ状態になることがしばしばあり、その鬱と鬱じゃない時とを割と短いスパンで繰り返すタイプでした。
シンプルに感情の波が激しい性格なんだと思ってました。躁鬱の存在自体は知ってたけど、本物の患者である父を目の前で見ているので、それに比べたら自分はただの甘えであって病気ではないんだろうなってずっと思っていました。
ただ、やっぱりこれはおかしいなって気付けたのは満員電車での通勤時。身動き取れない缶詰状態の電車に乗ると、周りの人に少しぶつかるたびにイライラして叫び出したくなる衝動に駆られるようになりました。ギリギリ理性で抑えてるのですが、電車から降りるたび、興奮状態から覚めるのか、いつもゼェゼェハァハァと息を切らしているんです。
仕事中にも、
新しく仕事を教わっていると、
この仕事を覚えられるのかな、とか、
際限なく不安が押し寄せ、息苦しくなるのです。
周りは優しいのに、仕事は辛くないのに、
何故?
この状態のままだと、
私は日常生活がまともに送れない。それは怖いと思い、父と同じ病院に行きました。
診察では、
1時間ただずっと、私の生い立ちや性格、今の辛いことを雑談のように伝えるだけでした。
そしたら先生が、お薬飲んだらきっと今の苦しさから抜けられるからね、と言ってくれました。
私は鬱がベースで、たまに元気で行動的な時があるのですがそれが所謂躁状態だったみたいです。
鬱も躁も、そんなに大きくなかった分、
病気だと思わず、発見が遅れました。
でもね、それでも今ここで発見してもらえたこと。そして治療出来ること。
若い時から治療出来てれば、今頃もう少し楽しかったかもしれない、っていうたられば思考が邪魔をするけど、
今気付いたことで楽しい30代が待ってるかもしれないわけで。
病院に行かず、性格だと捉え、ただただ自分の性格を憎んでいた日々でしたが、その日々がもったいなくなるほど。
今私は自分に対して、よく頑張ったね、と
毎日褒めてあげています。
今の私と愛犬
私が泣くと愛犬はそっと寄り添ってくれるんです。
私が鬱っぽくなったのは実は高校1年生の頃からでした。
当時、泣いて泣いて学校に行きたくないとごねた時、愛犬は私の涙を舐めてくれました。
新卒1年目、適応障害と診断されて休職した時も、愛犬はずっと寄り添ってくれました。
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そして最近も、何が苦しいのかわからないけど、涙が溢れた日がありました。
そんな時も愛犬は
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そーっと寄り添ってくれます。
それだけで私の心が救われて、絶望感で苛まれている心が、一気に軽くなるんです。
10年前、父親が躁鬱になってくれてよかった。
躁鬱の父親の苦しみは私以上のものできっと苦しかっただろうけど、そのおかげでかけがえのない出会いが巡ってきました。
10年後、まさか私が父と同じ病気に苦しむことになるとは思わなかったけど、すぐそばに私のセラピストである愛犬がいたおかげで、
私も苦しみからだいぶ逃れることが出来たように思います。
ドッグセラピーなんて言葉があるけれど、
私たち親子は、まさにそのセラピー効果を存分に味わいました。
愛犬へ、ありがとう。
うちに来てくれてありがとう。
生まれてきてくれてありがとう。
そんな、躁鬱親子と愛犬のストーリでした。