何となく南極気分(いよいよ乗船、そして上陸)
何となく南極気分(乗船まで)の続き。
いよいよ南極クルーズ船に乗船。夕方、船は出航した。
さて、ツアー料金には食事や、ラウンジでのコーヒーも含まれている。
食事の時間にレストランへ行くと、コース料理が用意されている。オードブルからデザートまでナイフとフォークがならび、蝶ネクタイの給仕人が…要するに私たちにとっては格安25万円のツアーだが、周囲の客は100万、若しくはそれ以上出している客なのだ。
初日の夕食…いや、ディナーは大失敗だった。6人席に座ることになり、他国のお金持ちの人達と一緒のテーブルになってしまった。(船のスペースは限られているので相席)大金持ちの人達と、いったい何を話して食事をすればいいと言うのだ!私たちはバックパッカーで、重たいバックパックを背負い、安宿に泊まりながら旅をしているのだ。その人たちが頼むワイン1本で、インド1ヶ月の旅ができることだろう。歓談とは程遠い話をしながら、何とかディナーを乗り切っ…いや、食べ終えた。
何を食べたか記憶にないが、翌日からは早めに行き、2人席に座ることに成功したので、その後は快適な食事を楽しむことができた。
ウシュアイアから南極までは約1,000キロ。凡そ名古屋から青森の距離で、船で2日弱。船には専門家(どこかの大学の先生)も乗っていて、往きの船内で勉強会が開かれていた。船はカナダの船で船内は英語だった。南極の地形のこと、天候のことなど、プロジェクターも用意されており、さながら大学の授業の様であったが、途中で船の横にクジラが現れた時からは、誰も授業なんて聞いていなかった。一番船が揺れる所を抜けてからは、甲板で過ごすことも可能になり、船と並んでシャチが泳いだり、氷山が流れてきたり、カモメが飛んできて甲板にとまったりした。
3日目の午前中、いよいよ南極大陸へのランディング(上陸)が叶った。
私たちが行ったのは12月上旬で、南極は初夏にあたる。ペンギンは子育てシーズンの最中で、小石で作った巣の上ではヒナが孵っていた。トウゾクカモメがヒナを狙って旋回しており、親ペンギンが必死にヒナを守っていた。2m以上の大きなアザラシが、鼻水をたらして雪の上で昼寝をしていた。
それから4日間、午前と午後の1日2回、計8回のランディングが予定されていた。南極の天気はよく変わる。直ぐに吹雪いたり、波が高くなったりして、ランディングができない事も多い。ツアー中1回も上陸できない事もあると聞いていたが、私たちは天候に恵まれ、予定通り上陸ができた。(何度も言うが、本当に運だけで旅をしていたが、私たちはいつも強運に恵まれていた)