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メタルもたぶん伏流水

タワーレコードのキュレーションサイト〈Mikiki〉で連載を持つようになって、4年ほど経ちます。

毎月のトピックは、こちらから提案することも編集さんに提案してもらうことも両方あるのですが、「メタルを経由してプロのジャズ・ミュージシャンになった方へのインタビュー」を昨年から続けています。これは私の提案で始めました。
私はいつも、そしていまだに、
「メタルを聴いていたように見えない」と言われるのですが、人を見た目で判断するなと言いたい。ガチメタラーだよ!しかも面倒臭めの。

結構前から節々でアピールしていたつもりでしたが、NHORHMを始めた時には本当に「えーっヘビメタ聞いてたの」とか「しょうもないことやらずにトリオやってよ」とか言われまくっていました。
知らんがな。
そして、音楽に貴賎はない。

NHORHMをやり始めた時は、メタルファン、ジャズファン両方から怒られると思って始めましたが、どちらかというと、ジャズファンのメタルへの無理解の方が強く実感しました。

そんなわけで、メタラー 以外へのメタル啓発活動が必要と感じていたところ、Mikikiで連載の話があり、2018年4月から「鋼鉄のジャズ女」を始めました。いくつか名盤の名前を出して検討した結果、この連載タイトルになったのですが、しばらく後で、行きつけの高円寺メタルめしの店主ヤスナリオさんから「〈西山瞳の今夜もNEVER DIE〉が良かったのでは」と言われて、はやく言ってよ!と思いました。いつかラジオ番組することがあったら、絶対これね。

私はNHORHMで様々な媒体に出演したり書いたりで、自分の話はしてきましたが、高校生の時にメタルを聞いていた私は別に特殊ではないし、同じ世代でギター、ベース、ドラムだったら中高生の時にメタルを通っている人が多いはず。
ということで、他の人の話も紹介しようと思って、このインタビューシリーズを始めました。超絶優秀な同世代ミュージシャンで、明らかにメタルを通過している人たちの話を聞いてみようと。我々は別に、隠れキリシタンではないです。


ということで、その最新回。
名古屋のギタリスト、武藤祐志さんにお話を伺いました。

記事はこちら↓


現在の武藤さんのことは、総合格闘家みたいなものだと認識しています。
これまで同世代のジャズ・ミュージシャンに話を聞いてきましたが、少し上の世代で、ジャズでも少しフィールドの違う方に話を聴きたいなと考えた時に、真っ先に思い浮かんだのが、武藤さん。
どこにも属さないプレイヤーだけど、マッチョな野武士というわけでもなく、丁寧でコミュニケーションもばっちりなのに、固執なくブチ切れもできる、みたいなプレイヤー。(ご本人はインタビューの中で、くるくるぱーという単語を頻繁に使っておられました笑) メタルの音で、どこからどう聴いてもジャズ・ミュージシャンのアティチュードで演奏している、あまり似たようなタイプのいないプレイヤーです。

武藤さんとは、以前バンドをやりかけてリハしいてたり、スラッシュ系のアイドルソングの録音やら、呼んでもらったこともあります。

改めてお話聞かせてもらうと、興味深いことだらけでした。
ぜひぜひ読んで下さい。めっちゃ良い話。


これまでインタビューしてきたのが、

鈴木直人さん(ギター)


織原良次さん(フレットレスベース)


馬場孝喜さん(ギター)、則武諒さん(ドラムス)


それぞれ、メタルからどうやってジャズに辿り着いたのか、よく共演していても、時系列を追って話を聞くことがまずなかったので、非常に面白かったです。
則武君はこの後トリオをお願いしたのですが、ジム・ブラックの話や音色の話など音楽観を聞いて、彼に音出してもらいたいなと思ったんですね。一度やってみて、やっぱり思った以上に良かったので、引き続きお願いしています。
鈴木直人さんは、ジャズフェスやライブハウスですれ違って喋ることは多々ありつつ、共演したことがなかったので、10/26に初共演します。楽しみ。
馬場君とおりちゃんは、常々共演していますが、本当に素晴らしいプレイヤーです。
おりちゃんとはNHORHMで色んな機会で演奏していますが、しばらくNHORHMは休んでいるので、気長に復活をお待ち下さいませ。解散後再結成、メタルバンドあるあるです。

以前、Twitterでのララランド論争の時だったか、「ジャズは伏流水みたいなものだから」と書いたことがあるのですが、このようなメタル経由ジャズ・ミュージシャンのインタビューでも、最近のJ-Popを聴いていても、メタルも伏流水になっているところがあるのかな、などと考えたりします。
昔からこのジャンルに対しての世間の目線が厳しかったから、メタルファンは少し自虐的になりがちですけど、ファンの高齢化とか言わなくていいと思いますよ。ぱっと見、同じ形じゃなくても、ちゃんと他ジャンルや若い人に繋がってますからね。私もこの前のトリオ用の新曲、Code Orangeの構成を参考にして書いたし。

来月、とあるメタル系の書籍に関わりました。
情報が出せるようになったら、こちらでもご案内します。



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Hitomi Nishiyama 西山瞳
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