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私はディズニーの二次創作に略奪愛なんか求めない

突然ですが、みなさんは「ガーディアンズ」という映画と聞くと、何を思い浮かべますか?

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ほとんどの人はMCUの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と答えるでしょう。でも、もう一本、似たようなタイトルの映画があるのをご存じですか?

それが今回ご紹介する、ドリームワークス・アニメーション(以下、DWA)の『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』です。

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DWAで2012年に公開されたアニメーション映画です。主人公の妖精ジャックフロスト(青い服を着た銀髪の少年)がガーディアンの仲間と一緒に、子どもたちの夢を守るために奮闘するお話。

監督は後にディズニーとピクサーの7年連続記録を破ってアカデミー賞長編アニメ賞を受賞した『スパイダーマン:スパイダーバース(2018年)』の共同監督の一人であるピーター・ラムジー。プロデューサーは『パシフィック・リム(2013年)』、『シェイプ・オブ・ウォーター(2017年)』などのギレルモ・デル・トロが務めます。

DWAと同じくユニバーサル傘下のイルミネーション・エンターテイメントがミニオンなどのテレビシリーズを制作せず、映画一本に絞っているのに対し、近年のDWAはテレビアニメ事業に積極的。これまでに『ペンギンズ』『ヒックとドラゴン』『ボス・ベイビー』などがテレビシリーズ化されましたが、本作もテレビシリーズ化が検討されているとのこと。

余談ですが、本作には『不思議の国のガーディアン』という邦題も存在したらしく、今のタイトルでは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と混同されるおそれがあるため、邦題はむしろそっちで良かったんじゃない?と思うこともありますけどね…。

作品についてはここで置いといて、あなたはジャックフロストを見て、こんな思いをした経験はありませんか?

「そうそう、私このキャラ見たことあるよ! えーと確か、外国の人が描いたイラストだったかな、エルサと一緒にいたの!

そう思った方、見る目がありますね。

数年前、海外や日本を中心に、ジャックと『アナと雪の女王(2013年)』のエルサを恋仲にした設定のイラストやファンメイドの動画など、数多くの二次創作が生まれました。二人の組み合わせは英語圏では「Jelsa(Jack+Elsa)」、日本では「ジャエル(ジャック+エルサ)」と呼ばれています。

このサイトによれば、二人は「氷や雪を操る能力を持つ」「特定のパートナーがいない」などの共通点があり、妄想が妄想を呼んだことでこれほど流行した模様。

二次創作界隈で世界的に流行した「ジャエル」ですが、アナ雪が公開される前、ジャックと別のディズニーキャラクターのカップリングが流行していたのをご存知ですか?

それが、『塔の上のラプンツェル(2010年)』のラプンツェルです。

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日本ではあまり一般的ではありませんが、ジャックとラプンツェルを恋仲の設定にさせたイラストや小説などが流行していたそうです。二人の組み合わせは英語圏では「Jackunzel」と呼ばれます。

私自身、Jackunzelを知ったとき、違和感しかありませんでした。ちょっと待って、フリン・ライダー(ユージーン・フィッツハーバート)がおるやないか!真実の愛の象徴たるディズニープリンセスが浮気なんかしちゃアカン!と。

なので、Jelsa/ジャエルのファンアートは見ても、私はJackunzelのファンアートは一切見ません。うっかり見てしまったら、自分のiPhoneをそのファンアートの部分だけあわてて手で隠すほどに嫌悪感があります。見る余裕があればあるほど、「Jackunzelもけっこうええやん」と思ってしまうのが怖いのです。自分の価値観や嗜好に合わないのなら嫌いでいい。それが私のポリシーです。

ディズニーって、永遠の愛とか、真実の愛とかをずっと描いてきたわけですよね? 運命の人を生涯愛し続ける、そういう恋愛を描いてきたわけで。二人はいつまでも幸せに暮らしました、それがディズニーの守ってきたことですよね? Jackunzelは私にとって、それを汚してしまう存在でしかありませんでした。同じ理由で『美女と野獣』でのベルとガストンのカップリングや、『ヒックとドラゴン』のヒックと『メリダとおそろしの森』のメリダのカップリングも正直苦手だったりします。

どうしてJelsa/ジャエル以前にJackunzelが流行したのかは知らないし知りたくもないですが、アメリカはポリアモリーやオープンマリッジみたいな、従来の「一対一の一途な愛」にとらわれない恋愛のカタチが流行しつつあるし、そういう恋愛観がディズニーに当てはめたという気がしています。皆さんはどう思いますか?

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