気の向くまま、ときめく方へ
旅は楽しい。
と、特に最近すごくそう思う。
学生の頃はガチガチに予定を組んで、決められた時間に決められた場所に行くスタイルが多かった。
現地での時間と空気を好きなように楽しむ、というよりは、いかに効率的に観光場所を回れるかを考えるような。
今はなるべく最初から固めず、自由に動く旅が好きだ。
気の赴くまま、心がときめく方向へ足を進めたい。
そう強く思うようになったのは先日のことがきっときっかけなんだろうなあ。
そのきっかけはほんの些細なこと。
岐阜への旅で、モザイクタイルミュージアムに行った帰り。バスに乗って駅に戻ろうかと思った矢先、走り去るバスの後ろ姿が見えた。
あーあ、バス行ってしまった。
まあすぐ来るだろうと時刻表を確認すると、次の時間は1時間後。
…ふむ。1時間、どうしようかな?
タクシーという手がないでもないけど、特に急ぎのなにかがあるわけでもないし、ゆったりうろうろしてみようかなと思い立った。
ゆるい坂を下りながら、マップも見ずに歩く。誰も歩いていないその通りは、いつもならちょっと不安になるはずなのに、その時はむしろワクワクしていた。
ふと目につくソフトクリームの看板。ちらり見ると中からお店の人が出てきて、「ヤギのミルクのアイスだよ」と教えてくれる。へえ、美味しそう。
気持ちのいい晴れの日だったし、ソフトクリーム片手に散策もいいじゃないか。ニコニコ優しそうなお店の人と「どこからきたの?」「ミュージアムは行った?」と会話をして、ヤギのミルクのソフトクリームを受け取る。うん、美味しい。
またあてもなく歩いていると今度は「たべられるモザイクタイル」と書かれたのぼりがひらひら。なんだろうと気になってみると、モザイクタイルを模した和菓子がいっぱい。
そのかわいさにときめいて、クッキーとこはく糖と生菓子を購入。
ここでもお店の人と会話をしていると、気になる一言。「街中のモザイクタイルアートは見た?」
どうやらタイルの街・多治見では街中にもタイルアートが点在しているらしく。どこにどんなものがあるのか教えてくれたのでお店を出たらタイルアート探しの散歩に出発。
確かに街にはいろんなところにタイルが散りばめられていて、ああこんなところにも、と発見があっておもしろい。
ミュージアムを出て、もしそのままバスに乗れていたら、こんな時間は過ごせなかった。
走り去るバスを見送った時はミュージアムに入る前に帰りのバスの時間を確認するべきだったかな、と反省したけど、最終的にはすごく楽しくて自由な時間を過ごせた。だからあの時バスに乗れなかったことも間違っていない。
今の私はこうやって気持ちのままに動く旅が楽しいと思う。さて、次はどこに行こうか、ぼんやり考えながら眠りに就くことにしようかな。
おやすみなさい。
明日もきっといい日に。
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