#19術後病理診断の結果 ~がんサバイバーさんの運動指導をしている私が乳がんに~
術前の説明では
退院後2回目の診察。手術をして20日ほど経ちました。
この日は、手術で取った腫瘍の病理検査結果を聞くことになっています。
「20分ほどしっかりお話しします」と事前に言われていたこともあり
何を言われるんだろうかと、数日前からちょっと落ち着かない日々を過ごしていました
手術前の検査で、私の乳がんは
・浸潤性乳管がん
・大きさ 3.4×2.7×1.5
・リンパ節転移が見られないので 病期ステージⅡa
・他の臓器への転移もなし
・サブタイプ:ルミナールA(ER・PgR 90%)
・HER2 陰性
・Ki67 10%
という見立てでした。
私も自身が乳がんになって知ったのですが「ステージ」だけでなく、どんなタイプのがんなのかが重要なんですね
例えば、浸潤がん(がん細胞が乳管外に広がっているような状態)と非浸潤がん(広がらず留まっていて転移がほとんどないと考えられている状態)では治療が変わってくるし
加えてサブタイプによっても全然違う。
もろもろたくさんあるので、詳しくはこちらの動画を見ていただくとわかりやすいのかなぁと思います
太い針で取った組織で、術前からこんなに詳しく調べるんだ~と驚きでした。
私の親族にも乳がんサバイバーがいますが、今から数十年前に手術をしていて、確かこんなに細かい検査がなかったかと。そして、乳房とリンパ節と、かなりごっそりと切除されていた記憶があります。
なので、今回改めて医療の進化のすごさを感じたのでした。
術前にこれだけの情報をもらっていたこともあり、最終の病理検査結果は、術前に聞いた状態を改めて確認するんだろうなぁというくらいの気持ちでいました。
術前との違い
診察日当日、ひとりで病院に行き待合で呼ばれるのを待っていました
とその時に、主治医がひょこっと診察室から顔を出して
「あれ、お一人で来られましたか?ご主人は?」と。
むむ。。。旦那を連れてこなあかんかったか~なんか重い話なのかと一瞬不安になりました
「どうぞ中へ」
と案内されて、診察室へ。
「傷口の状態や、水のたまり具合は後ほど確認しますので、まずは病理検査の結果から説明しましょう」と、お話がスタートします
手術では腫瘍の大きさ+αで大きく切り取っていて、直径5~6㎝の大きさで切除したそうです
病理検査では、その切り取ったものを薄くスライスして、いろいろ調べるそうです。
今や2人に1人はがんという時代だから、手術をしている方も多いだろうと予測します。
となると、病理検査作業もものすごい大変なんじゃないの??!なんてことを感じたのでした。
そんな中もきっちり調べてくださることに、ありがたさを感じます。
で、結果の内容です
・がんの種類:非浸潤がん+浸潤がん
梅干しみたいに、真ん中に1.5㎝の浸潤がん、その外側を非浸潤がんが取り囲んでいたそうです
・リンパ節転移:センチネルリンパ5個取って転移0
なので、浸潤がんの大きさからも、ステージがⅡaからⅠⅽへと下がりました
・核異形度(よくがんの顔つきとかいわれるやつです):3段階中2
・脈管浸潤(血管やリンパ管への浸潤):ややあり
・女性ホルモン受容体(ER,PgR):あり 90%
・HER2発現:偽陽性(4段階中の3)
術前の説明では
女性ホルモンを餌にする(女性ホルモン受容体90%)タイプなので、術後は放射線治療と10年間の薬物(ホルモン剤)療法という見立てでしたが
実際に腫瘍を調べてみると、術前では陰性だったHER2が偽陽性。。。
ということで、「HER2が陽性かどうかの判断を別の検査(FISH検査)で再度行う」とのこと。
再検査で陰性となれば、術前に聞いた通りの治療となり
陽性となれば、抗がん剤3か月、抗HER2療法1年、放射線治療、薬物療法
と大掛かりな治療となります。
がん自体は小さいのに、白黒つきづらい、いいとも悪いとも言いづらい項目が3つ。微妙ですやん・・・。
という訳で、最終結果が下されるのが1週間延期となりました
不安と覚悟
HER2というがん細胞の増殖に関係するたんぱく質の値の違いで、こうも治療が変わっていくんだなぁと、驚きでした。
術前は、「抗がん剤は脱毛するし、しんどいし絶対に嫌」とか「とりあえず切ってスッキリすれば仕事復帰できる」みたいな軽い気持ちでしたが
がんの治療って一筋縄ではいかないのですね。
手術をし、がんと向き合う覚悟みたいなものもなんとな~く自分の中に生まれてきたからか、病院から帰る頃には
「抗がん剤となってもOk!どんと来い。仕事復帰が遅くなったとしても、この際しっかり治したる~」みたいな覚悟ができていました(ほんとかな?)
夜、仕事から帰宅した旦那に結果のこと、再検査のことを話しました。
その時に言われたことです
次の検査で陰性と出たら、おそらく抗がん剤とかしなくていいんだろうけど
この先5年とか10年先に再発・転移のリスクを、もし今減らせる手立てがあって、それが抗がん剤をすることだとしたら、体力のある今のうちに治療をしっかりすることも一つやと思う。(偽陽性と出ているので)
自分が60、70歳になって再発してしまって抗がん剤をするのと、今するのでは向き合える気力も体力も違うと思うから先のことも考えつつ、きちんと先生の説明を聞いて納得がいく答えをもらっておいで、と。
確かに。
来週、しっかり話を聞いて来ようと思ったのでした。
抗がん剤となれば、もちろんするつもりですがそれはそれで未知の世界
どうなるんだろうか、と想像すれば不安になります。
ま、まだ答えが出ていないので不安になりすぎるのも良くないですが。
あと1週間モヤモヤ気分を味わいます