H✖️H 新旧アニメ比較
HUNTER✖️HUNTERファンの間でよく話題(炎上?)になるものの一つが、新アニか旧アニか問題。
HUNTER✖️HUNTERは、二度アニメ化されている。
旧作は、1999年〜日本アニメーションで制作されたフジテレビ版。
新作は、その約10年後、2011年〜マッドハウスで制作された日本テレビ版。
個人的には世代的な理由もあって旧アニ派なのだけど、それはあくまで個人の趣味だと思うし、新アニのお陰で新しいファンが増えたわけだから、新アニにもとても感謝している。
それよりも面白いと思うのは、新アニと旧アニの違いが、時代の流れを反映しているように感じることだ。
旧作が作られたのはセル画制作最後の頃で、OVAに移行したグリードアイランド編はデジタルで制作されている。
対して、新作は完全にデジタルで作られている。
HUNTER✖️HUNTERの旧作と新作は、約10年という時間差があるがために、たまたまアニメ制作の移行期にまたがっているのだ。
だから、旧作と新作の違いは、会社の違いもあるが、それ以上に時代がアニメに求めるものの違いみたいなものを反映していると思う。
ざっくりすぎて申し訳ないが、私は、
旧作は
「職人の情熱が感じられるハンドメイドクラフトの作品」
新作は
「企業がブランド管理やマーケティング戦略を計画的に行って作った大量生産の商品」
という勝手なイメージを持っている。
旧作のコンセプトは「丁寧さ」。
原作をきちんと読み込みつつ、キャラクターの心情を丁寧に描いている。
対して、
新作のコンセプトは「わかりやすさ」。
サクサクと進むストーリー、はっきりとした線のキャラクターデザイン。当初は小学生がメインターゲットだったということもあり、少し複雑なハンタの話をわかりやすくすることに心を砕いているように感じる。
どちらが優れているというわけではない。
旧作の「丁寧さ」と新作の「わかりやすさ」とを比較した時、作品に求められるものが「よりわかりやすく、より万人受けするように」と変化していったのだな、ということを感じるのだ。
それは、ハンタに限らず、本、音楽、映画、様々なジャンル全般に言えることのように思う。
新作と旧作の違いは、単なる制作会社の違いだけではない。その時代における文化の違いそのものを映しだしているように思うのは、私だけだろうか。