映画倍速視聴⁉︎

「Z世代の若者は、映画を倍速で観る」
こんなネット記事を読んで驚いた。んなアホな、と思っていたのだが、実際にそういう人もいるらしい。

勉強家でないので、たいして知りもしないのだが、私は映画が好きだ。

物語が好きなので、もともと映画は好きだったが、トリュフォーの「大人は判ってくれない」を観て、そのカメラワークの独特さに度肝を抜かれ、映画にのめり込んだ。
多感な高校生の頃のことだ。

それ以来、映画の見方がやや変わり、ただの「映像化された物語」という視点から「音楽と映像の総合芸術」という捉え方になった。全くの素人ではあるが、映画を観る時は、ただストーリーを楽しむだけではなく(もちろんストーリーは大事だけれど)、音楽やカメラワーク、映像の美しさも楽しんでいる。

だから解せない。
映画を倍速で観たら、音楽は愚か映像の美しさにも、カメラワークの素晴らしさにも酔えないんじゃないか⁉︎

いったい、倍速で観て、その映画を「映画」として味わえるのだろうか。
美味しい料理を早食いして、その料理の何がわかるというのだろう。
ただストーリーを追っただけじゃ、映画なんてその半分も価値を失うと思うのだが。

情報過多の時代、映画すらただの「情報」と化していたら、とても悲しい。

映画は情報番組ではない。情報を摂取する媒体ではなく、「違う世界に行く夢の扉」であってほしい。


いいなと思ったら応援しよう!