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棚と共生する木

近所の公園の木。
おそらくトネリコという木で、通常は上にまっすぐ伸びていくはずなのだが、変わった伸び方をしている。
木には人間のような目はないが、どうやって周りを認識しているのだろう。木の根本から2〜3mほど横にある鉄の棚をいつからか認識して、そこに向かって手を伸ばすみたいにして伸びている。
まっすぐ上に伸びるには木の幹は太いほうが強い支えになりそうなものの、斜めに伸びるには幹を捻りながら伸びるのがよい方法で、捻って伸びることを優先させると、木の幹は中身が詰まっていては捻りにくく、このような空洞になってしまったのだろうか。
棚に辿り着いて、棚に乗っかりながら25m近く左右に木は伸びている。左右に伸びたおかげで、上に伸びるよりはるかに広い範囲、まんべんなく日光を取り入れることができているのではないかと思う。
棚と共生している木。木に気持ちのようなものはあるのかわからないけど、棚に辿り着くあと一歩の時、棚に辿り着いた時、辿り着いてから伸び始めの時、棚いっぱいに伸びた時、どんな気持ちだったのだろう。

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