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千鳥舞う
葉室麟さん
【ネタバレあります】
主人公は博多の女絵師、里緒。
絵師としての号は春香(しゅんこう)。
江戸から来た狩野派の絵師、
外記(げき)と不義密通(不倫)し、
破門されていたが
師匠からの破門が解け、
豪商、藤兵衛に「博多八景」を
依頼される。
江戸に戻ってしまった外記の
「3年後に博多に戻って迎えにくる」
という言葉を信じながら。
葉室さんは、清廉潔白な主人公が多いのに、純愛とはいえ、不倫した主人公はめずらしく思った。
純愛、という単純なものでなく
絵を描くことに向き合う同志としての
心の通い合いもあったから?
外記さんの何年も苦悩した後の言葉
「認められないかもしれないが
憎み合って、時間を無駄に過ごすより
互いに新たな生き方をすべきと
思い定めた。
許しを請う訳ではなく、生きる道を
決めたのです。」
と義父に伝えにきたところなどは
葉室さんらしいと思いました。
これは今でいう
ツインレイというものかな。
葉室さんの話は、何度も読みたい。