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子ども同士のトラブル「また!(怒)」それとも「ラッキー!」

小・中学校の英語の先生のための英語の先生 Teacher Melody です。
先生方、毎日お疲れ様です♡ 子どもたちの笑顔は先生方のおかげです!

 今回は、まず子どもの学校での人間関係上のトラブルについて、皆さんと一緒に考えたいと思います。ただし、いろいろなトラブルがあります。いじめや差別につながるものに関しては、「困った子」は「困っている子」という意識を持って、チーム教員で聴く耳と冷静かつ毅然な態度で対応し、子どもの命に関わるトラブルは管理職及び養護教諭に即座に報連相して即断即行、ネット上のトラブルは保護者と必要であれば関係機関とも連携をどうぞよろしくお願いいたします。

ここで扱うトラブルとは?

 ここでは例えば、貸してあげた鉛筆を芯を折られて返された、とか、友だちが水やりをしていないからするように言ったら、「うるさい」と言われた、嫌な係・委員の仕事を押しつけられた、昨日まで仲良くしてくれた子が今日は一緒に遊んでくれない、など、日常茶飯事に起きるプチトラブルを取り上げてみたいと思います。このようなトラブルが起きたとき、先生方はどう思われますか?喜怒哀楽でいうと、どの感情が身体と心を占めますか?また、子どもにどう関わろうと思われますか?

トラブルが起きると感じること

 誤解を恐れず申し上げると、私は子ども同士のトラブルが起きたとき、「あぁ、良かった!」と感じます。保護者の立場でお読みくださっている方は、「なんてひどい先生!」と思われたことと思います。今から、私がそう思う理由を述べさせてもらいますので、最後までお読みになり誤解を解いてくださると有り難いです。

 正確に記述すると「良かった!ラッキー!」と思います。(何が違うねん?)でも教員として新採時代は、「あぁ、また喧嘩(怒)」「またあの子が、、、」などと悩み、家に帰っても悩み、お風呂に入っても悩み、テレビを観ても悩み、生徒のトラブルを”問題行動”ととらえてずっと思い苦しんでいました。

トラブルを解決できる鍵

 どうにか対応しようと、先輩に相談したり、書籍などを読んだりしてみましたが、本のタイトルなどにある「これさえすればクラスが必ずよくなる」「子どもが言うことを聞く言葉がけ」のような魔法のようなテクニックは、ほとんど通用しませんでした。もちろん一時的には効果が出るものもあります。全く効果がないとは思いません。ただ、教師が子どもを信頼、尊敬しているかどうかで、生徒の成長曲線がアップするか現状維持なのかが違ってくることを経験しました。

 「ラッキー!」とはどの点でラッキーだと思うのかというと、ある意味で「トラブルは成長のチャンス」だと信じているからです。”ある意味”というのは、教師の関わり方次第で生徒がどれくらい成長できるかが決まると思うからです。ですので、子どもがトラブルを起こしたときは、「また子どもの成長が見られるな~、楽しみだな~、ラッキー!」という気持ちになるんです。もちろん教師が子どものトラブルに対して不適切に対応すると、期待するほどの成長は見られない可能性もあります。上述しましたが、いろいろなケースがありますので、たった一つの黄金テクニックがあるわけではありません。また、「まず当事者の話を聞く、そして辻褄を合わせて、最後に謝らせる」といった、一連の段取りのことを今日は書くつもりはありません。(ちなみに私の経験では「ごめんなさい。」の一言で問題が解決し、「わかりましたか?」と聞くと素直に「はい。」と返事をするのに、二度と同じような問題が起きなかったというケースは稀です。)ここでは私の教育観にあるのベースになる考えをシェアしたいと思います。

トラブルが起きたとき考えていること

 子どものトラブル指導において大切なことって何でしょうか?教師はどのような役割でしょうか?私の場合は、子どもに何を学んでほしいかを考えるようにしています。例えば「だれかに嫌なことをされたら、先生に言えば解決してくれる」ということを学んだ子どもは将来幸せでしょうか?「嫌なことがあったら、物にあたってスッキリする」「イライラしたら、だれかに暴言を吐く」「自分さえ我慢すれば、皆楽しく暮らせる」ということをすでに学んでいる生徒がいるかもしれません。私は生徒が「問題が起きたとき、どのように対処すれば周囲の人と調和を保ちお互い気持ちよく暮らせるのか」を自分で考えて、自分の人生に起こる問題を解決する能力(Problem Solving)が伸びるように関わりたいと思っています。

アドラー心理学から考える

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アドラー心理学では「課題の分離」という考え方があります。例えば、宿題をすることは子どもの課題であり、親の課題ではありません。ですので、「ゲームばかりしないで宿題しなさい!」も「お母さんが代わりに夏休みの工作をやってあげるよ!」も子どもの課題に介入しています。子どものトラブルも同じです。子ども同士のトラブルは子どもの課題です。教師が「このトラブルを解決してやろう」というのは課題が分離されていません。「あなたたちの問題解決能力は低いので、自分たちでは問題を解決できないでしょうから、先生が解決してあげますよ。」というメッセージとして潜在的に受け取られている場合のあるかもしれません。もちろん子どもは未熟で経験も少ないので、上手く解決できないことが多いでしょう。でも、トライアンドエラーで問題解決の経験をしていくことはその力を伸ばす上で必要なプロセスではないでしょうか?私の場合は、子どもは自分の生活に起こる様々な問題を自ら考え、解決に向けて行動できると信じて、子どもからリクエストがあれば、教師が一緒に問題解決に向けて何ができるか考えると思います。これが教師の役割だと信じています。

 ちなみに、だれともトラブルを起こさず、「皆と仲良くしましょう」というのは大人でも無理ではないでしょうか?これをお読みくださっている先生方は、同じ学校のどの先生方とも仲良くお話できるでしょうか?たぶんできないと思います。自分とは違う考え方をされる先生に対しては、少し心の距離を置いてしまうのが現実ではないでしょうか?ですので「クラス全員と仲良くしましょう。」というのは本当は無理な話でトラブルが起きるのも当然です。「宇宙の法則2:7:1」の2は人間関係の2割はベストフレンド、7割はノーマルにつきあえるフレンド、1割はどうしても気が合わない人ストレートに言えば理解できず嫌いな人です。(自分がだれにとっての1割なのかを想像すると少し恐ろしいけど、自分も1割を避けていることを忘れてはいけません。)

未然防止のためにできること

 とは言え、さすがに授業中のトラブル多発はちょっと支障が出ることもありますよね。そんな場合はルールを徹底することが一つの防止方法になるのではないでしょうか?これは保育士さんによる幼児に対する方法ですが、小・中学生にもヒントになるかもしれません。

英語の授業でのルール

 ここでようやく英語の授業のお話です。英語は音楽や体育のように実技系の授業になるので、子どもがルールを守って授業をうけることがさらに重要になります。ペアで会話をするときに、ペアになってくれなかった、英語を話さなければいけないのに、日本語でおしゃべりした、など、いろいろなことが起こりえます。そこで私は年度の始め4月5月の段階で、ルールを徹底しています。例えば立てって座るということをさせるだけでも、立てるときには椅子を机の中に入れるなど、守るとお互い気持ちよく授業ができるというルールがあり、何度も何度も全員ができるまでやり直します。少々授業の進度が遅れても問題ありません。むしろルールが徹底できていないまま授業を進める方が、後々トラブルの原因になってしまうことがあります。今回は英語の授業のルールを詳しく紹介はできませんが、生徒理解がなければルールを守るモチベーションが生徒から生まれないということも追記しておきます。

まとめ

生徒理解・生徒信頼・尊敬ファースト
       ↓
「トラブルは成長のチャンス」
トラブルを通して何を学んでほしいかを考える
       ↓
「課題の分離」
教師は生徒の問題解決能力を伸ばすサポートをする
       ↓
未然防止にはルールの徹底を!
       ↓
生徒がルールを守るかは、教師が生徒を理解、信頼、尊敬しているかどうか

 このページが少しでも「参考になったなぁ」と思われた先生方、感想を残してくださるととても嬉しいです。今後も役に立つ情報をお伝えしていきます。また、のぞいてくださると幸いです。

 1人でも多くの先生方子どもたちに、英語の楽しさ、人生の素晴らしさが届きますように!最後までお読みいただきありがとうございました!

Thank you so much for reading! I hope to see you again soon! Bye for now!

【英語の先生のためのひとことEnglish】

Children learn through effective scaffolding by adults.  
  子どもは大人の効果的な足場掛けを通して学ぶ
                                                                                        By Jerome Bruner



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