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想像の何倍もしんどかったつわり

正直、つわりを甘く見ていました。
「船酔いが続く感じかな」、「母は軽かったと聞いたから私も大丈夫かな」と考えていましたが、妊娠初期は毎日を生き抜くのに精一杯でした。

ついにやってきた

 妊娠6週目頃から、なんとなくムカムカする感じや、あまり食欲がわかない感じがあり、いつもと少し違うなと思っていました。しかし、この頃はまだ余裕があり、「お、これが噂に聞いていたつわりか」と軽く捉えていました。ところが、週を重ねるごとに匂いに敏感になり、食べ物を受け付けなくなり、寝ても覚めても気持ちが悪く、ベッドとトイレの往復、、、とまるで地獄のような数ヶ月でした。

もう二度と経験したくない、思い出したくもないと思っていましたが、「しんどかった」だけで片付けるのも嫌だったので、奮闘記としてここに残しておこうと思います。

つわりってどんな感じ?

食べづわり、吐きづわりなど、人によって症状や程度が違うようですが、私は吐きづわりでした。臭覚はまるで犬のよう。普段は何も気にならなかったご飯が炊ける匂いや香水、スーパーやコンビニのいろいろな食べ物が混ざった匂いで気分が悪くなりました。愛犬の匂いも無理になり、心配して寄ってきてくれたのに「ごめん、近寄らないで」と距離をとってしまいました。

味覚の変化も大きく、あれだけ好きだった卵が食べられなくなりました。味や匂いだけでなく思い浮かべるだけで体調が悪くなったので、卵の会社に勤める私にとっては致命的でした。この頃の出社は正直しんどかったです。工場にオフィスがあるのでマスクを二重にしたり、心を無にして業務を行ったりしていました。

味覚がコロコロ変わるのも厄介で、ある日はオレンジジュースが飲めたので買ってきてもらったら、次の日には炭酸水しか飲めなかったり、カステラが食べられた数日後には甘いものが食べられなくなったりと、その日になってみないと何が食べられるのかわかりませんでした。冷蔵庫には買ってきてもらったものが溜まっていき、家族に消費してもらっていたので、申し訳ない気持ちでした。

乗り物酔いもするようになり、会社の最寄りの駅に着いたけれどトイレに直行し、出社できずにそのまま帰宅させてもらった日もありました。

お腹の子は大きくなる一方、私の体重は減っていきました。

どのように乗り切った?

藁にもすがる思いで「つわり いつまで」「つわり 食べ物」「つわり 体験談」とネットで検索しては、記事を読んだり、動画を見たりしていました。トマト、そうめん、ポテトチップス、ゼリーなど、オススメに挙がっていた食べ物を試してもダメ。「つわりには必ず終わりがある」といった言葉も、「今、今がしんどいんだよ。」と心に響かず。「つわりの原因はまだ明らかになっていない」「治療薬はない」と聞くと絶望。

ピーク時は何をしてもダメで、結局「時が過ぎるのを待つ、耐える」ことが自分の中でのベストアンサーでした。しかし、「世の中につわりで苦しんでいる人はたくさんいる。自分一人じゃない」と知れたことは、苦しい時期を乗り越えるためのエネルギーになりました。

そんな中でも、乗り切るために行ってよかったと感じたことがあります。例えば、「お腹の子のために栄養のあるものをとらないと」と考えるのはやめ、食べられるものを食べられる時に食べられる分だけ食べるようにしたことです。ポン酢を飲んだり梅干しを食べるしかできない日や、深夜に食欲がでてきた日もありましたが、体が欲しているのだからとOKにしました。

また、1ヶ月の中にいくつかの楽しみを作るようにしたことです。季節的に駅伝やマラソン大会が毎週のようにあったので、あと何日経ったらテレビで見れる、と週末を楽しみに、平日を乗り切っていました。観戦している間はつわりのしんどさを忘れられ、選手が頑張っている姿を見ると、自分も頑張らないとな、という気持ちにもなりました。スポーツにはこんな力もあるんだなと感じた経験でもありました。

つわりを経て

つわりが落ち着くと言われている5ヶ月頃になっても症状は続いていて、「なんで安定期に入ったのに…」と出口の見えないトンネルにいる気持ちでしたが、6ヶ月頃から落ち着いたり、悪化したりを繰り返しながら、つわりは次第におさまりました。ご飯が食べられる、家を出られることがこんなに嬉しいことなんだと感じました。

毎日一口サイズのおにぎりを作って部屋の前に置いてくれた母、「何かできることがあったら言ってね」と見守ってくれた旦那、「仕事は私たちに任せてください!」「無理しないでくださいね」と体調を気遣ってくれた職場の方々。1人では到底乗り切れませんでした。助けてくれた人たちには頭が上がりません。

最初は「もう無理」「逃げ出したい」と思っていましたが、しだいに「絶対に乗り切るぞ」「今、お腹の子を守れるのは私しかいない」と、少しだけ親の自覚が芽生え始めたのを感じました。

そして長かった妊娠初期を経て、安定期に入ってホッとしたのも束の間、また次の試練がやってきました…。


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