瀧本先生からもらった武器で、僕は宗教を変える
まずはこの記事を読んでみてください。
7月6日までは、瀧本哲史先生の講義を本にした『2020年6月30日にまたここで会おう』の本文も無料で公開されていて、読むことができます。
良ければそちらも先にご一読ください。
脳と心の両方が震える、数少ない名講義だと感じました。
それでは、僕の宿題を提出します。
と言っても、僕はこのnoteで初めて瀧本哲史さんを知ったので、直接宿題を出してもらったわけでは無いんですけどね。
この世を去られた瀧本先生に向けて、一方的に、勝手ながら提出をします。
現在28歳の僕の職業は、宗教家です。
具体的には、天理教、という江戸時代の末期に成立した、新興宗教と伝統宗教の間くらいの立ち位置に存する宗教の信仰を、生業にしています。
『2020年6月30日にまたここで会おう』の中で、瀧本先生は、
一番の理由は、日本への危機感です。この国は、構造的に衰退に向かってるんじゃないかと。(中略) 一度、日本を捨てて海外脱出するというオプションを検討したこともあります。みなさんの中にも、「日本って基本的にオワコンだし、東大も世界レベルで見たらダメな大学になりつつある。もう海外に逃げよう」と考えてる人がいるかもしれません。
という話をされていましたね。
これを聞いて僕は、宗教界も同じだな、と感じました。
宗教って、現代社会においては、基本的にオワコンなんです。
だって、必要性が見えにくすぎますもんね。
これだけ科学の発達によって生活が便利になると、「無くても困らないもの」のかなり上位に「宗教」は食い込んでくると思います。
近代以前の世界では、宗教とは無くてはならないものでした。
そしてほんの数十年前までは、全ての人では無いにせよ、宗教を必要とする人というのはかなり多く居ました。
その間に大きく大きくした組織を、なんとか維持することに必死になっているだけ、というのが、現代の宗教界です。
そんな中に置いて、今宗教がオワコンであることに見切りを付けて、脱出していく若者が後を絶ちません。
今の宗教界って、タイタニック号に似てるなって思うんです。
船員として甲板に出て実地に働いている人間の中には、海の様子や天候の様子を実際に見て感じていて、
「このまま真っ直ぐ行ったら、氷山にぶつかって沈むぞー!!」
って分かってる人がたくさん居るんです。
そしてそのことを大声を張り上げて叫んでいるんですが、船(組織)が大きすぎて、その声が管制室や船長室まで届かなかったり、届くのに時間がかかりすぎちゃったりするんですよね。
でも一方、船長室や客室の中に居る人にはあまり外の状況が分からないので、
「今まで真っ直ぐ進んできて問題無かったし、無理に航路を変更しなくても良いんじゃね?」
って人も多いんです。
でも、実際に船の操舵輪を握っているのはそっちの人たちなんですよね。
そこで船員たちの間で何が起こっているかと言うと、
「一緒に沈んでたまるか!俺は逃げる!」
と言って脱出ボートに乗る人。
「もう良いんだ。俺は世話になったこの船と心中するんだ」
と諦めている人。
「まぁ何とかなるんじゃね?」
と、気付かない振りをして、客員と一緒に歌って踊って思考放棄している人。
「まだ何とかできるはずだ」
と、船中を駆けずり回って必死に動いている人。
など、色んな人たちが居るんです。
瀧本先生は、『2020年6月30日にまたここで会おう』の中で、「ダメな場所からは離れる」ことが大切だ、と、仰ってますね。
そうすることで、組織は自然淘汰的に、変革せざるを得なくなりますから。
その意味では、ボートで脱出している人たちの判断が、正しいのかもしれません。
でも先生は、オワコンである日本から脱出することを、
でも、よく考えてみた結果、僕は「残存者利益があるな」と思ってやめました。
と仰ってますね。
そして、2020年6月30日までと日を区切って、この日本で若い世代の皆が、何かやってみたら、こんな日本もオワコンじゃなくなるんじゃないか?
そう思われて、その「何か」をやるための武器を、先生は僕たちにくれました。
先生がもし今もご存命だったなら、2020年のこの日本を、どうご覧になったのでしょう?
もう諦めて、脱出なさったのでしょうか?
それともまだ、僕たちと一緒に戦おうと思ってくださったのでしょうか?
だから僕は天理教を変える。
さて、僕は、この宗教というタイタニック号に未だ残っております。
それはやっぱり「残存者利益」があるからです。
利益と言っても、今時、宗教やってて儲かることなんてまずありません。
それでも僕が覚悟を持ってこの宗教という船に残るのは、それだけ「神の教え」に魅力があるからです。
現代の社会では、必要性がなかなか感じられない宗教ですが、もう少し社会が成熟し、行き詰まってくると、「人智を越えた神的次元」から物事を捉える視点というのは、必ず求められるようになります。
その時まで、なんとかこの船を沈めることなく残す為に、僕はこの宗教界というタイタニック号に残ることにしました。
そして、「まだ何とかできるはずだ」と、この大きすぎる船の舵を切って、氷山にぶつからないようにするにはどうしたら良いか?を、考え続け、動き続けています。
そして5年前、僕は一つの「方法」を考え出しました。
この方法なら、天理教は氷山にぶつかることなく、航海を続けることができるはずだ、という、自分なりの結論です。
そしてこの5年間、その方法を実践し、今計画の30%ほどが順調に進んでいます。
これが、僕が先生に提出できる宿題です。
なぜなら、その「方法」は、たった今読んだ『2020年6月30日にまたここで会おう』に書かれている内容と、8割方同じ内容だったからです。
もし先生がこの話をなされた2012年に、この話を聞けていたなら、もう3年多く活動できていたのに、と、悔しくなったくらいに、僕が描いていた戦略は、先生から頂いた「武器」と似ていました。
しかも、今この先生の講演内容を読めたことで、僕の戦略は大きくアップグレードすることができました。
それに、上手く言語化できていなかった部分も、完璧にお話してくださったお陰で、今までは僕一人で戦っていたところから、仲間たちに武器を配ることができるようにもなります。
このnoteを読んだ、10代20代の、オワコンである宗教という船にまだ乗っている皆さん。
『2020年6月30日にまたここで会おう』を、是非読んでみてください。
「一緒に沈んでたまるか」さんも、「この船と心中しよう」さんも、「何とかなるんじゃね?」さんも、この本を読んで、武器を手にしたなら、「まだ何とかできるはずだ」と、思えるはずです。
この本を読んだ後で、「何か」をやりたいと思った方、是非一度、TwitterのDMなどでご連絡ください。
「仲間」になりましょう。
そして一緒に考えて、一緒に動きましょう。
現状30%まで進んだ僕の計画の、残り70%は、このままのスピードで行けば、あと15年で達成できると思います。
2035年6月30日。
まだ沈んでいないこの船の上で、大勢の人と笑い合える未来を、先生に提出することをお約束して、またこの船内を駆け回る日々へと、戻っていきたいと思います。
2020年7月4日
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