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鳥になった感覚
人生で一度だけ、鳥になった感覚を味わったことがある。
それは、バンジージャンプをしたときのことだ。
普通のバンジージャンプではない。
茨城県にある竜神大吊橋で飛んだときのことだ。
日本一の高さ100mから飛び降りるのは、
他のバンジージャンプとは完全に別物。
その竜神大吊橋はこんなところ。
ちょうど誰かがバンジーをしているところなんだけど、
安全地帯で見る分には「案外大丈夫なのでは?」と思うかもしれない。
実際に飛んだ私でさえ、飛ぶ前は
「あれ?意外とそんなでもないのでは?」
と思っていた。
でもそんなことはない。
安全地帯で見る景色と、危険地帯で見る景色は
腰を抜かしそうになるほど違う。
(参照: https://www.youtube.com/watch?v=EDcCXO1NF1s )
ここはバンジーをする前に待機するところ。
金網を通して下が見える。
奥行きがちゃんとイメージできないほど
途方もない距離。
この日、僕はバンジージャンプに行きたいと
言い出した言い出しっぺということもあり
それまでかなりテンションが高かった。
だが、ここに来て後悔し始める。
足がすくむ。
自分が飛ぶまで数組待たなければならないので、
この下が透けた場所で待機させられる。
非日常な時間。
そしてようやく自分の番。位置についてつま先を出す。
(参照: https://www.youtube.com/watch?time_continue=398&v=y3SdajLaJWM )
改めてその高さに気づく。
後悔は最高潮。
「なぜ安全地帯で見る景色とこんなに違うのか」
「目の錯覚が起きているのではないか」
しかし、開き直って飛び込んだ瞬間
さらに想像外の感覚が待っていた。
「あれ?飛んでる?」
もちろん身体は飛んでいるのではなく
落下しているだけ。
落下時間は想像より長い。
山が見える。
緑が高速で動く。
流れ行く景色は滑空して飛んでいる感覚を覚えさせる。
「鳥ってこんな感じで飛ぶのだろうか?」
今までに感じたことのない感覚だった。
飛ぶ直前は後悔でいっぱいだったのに、
帰り際にはまたあの感覚を味わいたい、
また飛びたいと思っていた。
(たぶん、また後悔するのだろうけれど)
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written by yuki.sagan
大阪出身、東京在住。HITOKOMA主催・noteの編集。普段はwebメディアの運営。原体験は大学祭実行委員会。フェス、舞台、流星群などライブ感、非日常感のあるものが好き。スガシカオ、長澤知之、二階堂ふみのファン。
HITOKOMAは「好きをシェアするコミュニティ」。新しい発見を日常に持ち帰ることを目的にしています。モノ・コトを並べて、気づいて、触れて、決めて、共有するイベントを定期的に開催。
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